ロイス/カペラ・アムステルダムによるプーランクのスターバト・マーテルの感想


プーランク スターバト・マーテル、テネブレの7つの応唱
 ロイス/カペラ・アムステルダム
 ハルモニア・ムンディ 2012年 HMC902149
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ダニエル・ロイス指揮カペラ・アムステルダムの合唱によるプーランクのスターバト・マーテル、およびテネブレの7つの応唱。仏ハルモニア・ムンディ。2012年エストニアでのセッション録音。ソプラノはキャロリン・サンプソン。オーケストラ演奏はエストニア国立交響楽団。

この曲の最近リリースされたCDと比べると、ドゥネーヴ/シュトゥットガルト放送交響楽団の録音が速めのテンポ、パーヴォ・ヤルヴィ/パリ管弦楽団の録音が標準的テンポで、このロイス盤が最もテンポが遅い。もともと合唱メインの録音でもあるので、声の奥行きが非常に丁寧に描き出されている印象を受ける。響きの感触は無色透明というべきか。前記2盤ほどはオケの音の個性が立っていないが、強弱のメリハリはしっかりしている。、宗教曲演奏のエキスパートならではの録音だろう。

「サンソン・フランソワ EMI録音全集」CD33の感想

「サンソン・フランソワ EMI録音全集」CD33
 フランソワ(pf) 
 EMIクラシックス 1947~1970年 6461062
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フランソワEMI録音全集CD33

バルトーク:ピアノ協奏曲第3番

デイヴィッド・ジンマン指揮フランス国立放送管弦楽団の伴奏である。フランソワ最晩年のライヴ。フランソワにしては全体的にピアニズムが穏健であり、枯れた味わいの演奏となっている。音質は良好。

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第5番

ロリン・マゼール指揮フランス国立放送管弦楽団の伴奏である。若きマゼールとの貴重な共演だが、モノラルの音質が平板なのがもったいない。この5年後のスタジオ録音が音質優秀だけに残念。ピアニズム自体の切れはスタジオ盤を凌ぐかというくらい良い。

フランク:交響的変奏曲

アンドレ・クリュイタンス指揮フランス国立放送管弦楽団の伴奏である。作品の性格ゆえかピアノの表出力がいまひとつ伸びない。しかし53年のライヴにしては音質がいい。上記のプロコもこれくらいの音質で聴きたかったが、、。

「ハイフェッツ&ピアティゴルスキー RCA室内楽録音全集」CD20の感想


「ハイフェッツ&ピアティゴルスキー RCA室内楽録音全集」CD20
 ハイフェッツ(vn) ピアティゴルスキー(vc)ほか
 RCA 1950~1968年 88725451452
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「ハイフェッツ&ピアティゴルスキー RCA室内楽録音全集」CD20

シューベルト:ピアノ三重奏曲第2番
 ジェイコブ・ラテイナー(P)
ブラームス:ピアノ三重奏曲第2番
 レナード・ペナリオ(P)
 
65年と63年の録音。演奏は2曲とも素晴らしい。シューベルトの方はハイフェッツ晩年の録音ながら、第2楽章中盤の山場など、往年の凄味をほとばしらせていて感嘆させられる。ブラームスのピアノ三重奏曲第2番はアンサンブルのこなれ具合に堂に入ったものを感じる。すでに多くの共演を重ねた名手3人による意気の合った掛け合いが秀逸である。このピアノ・トリオはブラームスの最盛期に作曲されているだけに一分の隙もない構成美を備えているが、こういう優れた録音で耳にすると、あらためて希有の名曲だと認識させられる。

キタエンコ/ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団によるチャイコフスキー交響曲第7番の感想


チャイコフスキー 交響曲第7番、ピアノ協奏曲第3番
 キタエンコ/ケルン・ギュルツェニヒ管、ジルベルシテイン(pf)
 エームス 2012・2013年 OC672
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ドミトリー・キタエンコ指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の演奏によるチャイコフスキー交響曲第7番(ボガティレフ補筆完成版)およびピアノ協奏曲第3番(ピアノ・ソロ:リーリャ・ジルベルシテイン)。独エームス。2012・2013年ケルン、フィルハーモニーでのセッション録音。

2曲とも録音自体が少なく競合盤もあまりないが、それを差し引いても本CDは名演だろう。キタエンコ/ケルン・ギュルツェニヒのヴァイタリティあふれるアンサンブル展開の味の濃い響きが素晴らしい。とくに交響曲第7番の第1楽章第2テーマにおけるむせ返るような旋律美など聴いていて素直に唸らされてしまう。ジルベルシテインの闊達なピアノ・ソロも秀逸である。

ミケランジェリの1975年グランジュ・ドゥ・メレでのライヴの感想

「ミケランジェリ グランジュ・ドゥ・メレ ライヴ」
 ミケランジェリ(pf)
 Altus 1975年ライヴ ALT272
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アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリの1975年グランジュ・ドゥ・メレでのライヴ。Altus。1975年フランス、トゥレーヌ音楽祭でのライヴ録音。ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第12番、シューベルトのピアノ・ソナタ第4番、ドビュッシーの映像より3曲、ショパンのピアノ・ソナタ第2番。

音質に問題がありすぎる。最初のベートーヴェンからノイズレベルのあまりの高さにのけぞる。ボリュームを上げるとノイズが大いに耳ざわりな上、ピアノの音像もボケ気味で、フレーズが聴きとりにくいことこの上ない。75年の録音とはちょっと思えない音質で、あるいは会場での隠し録りのたぐいか。いちおう正規盤だが、これはミケランジェリ自身おそらくリリースを許可しなかっただろうと思われる。

ミケランジェリとチェリビダッケ/フランス国立放送管弦楽団によるベートーヴェンの皇帝の感想


ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
 ミケランジェリ(pf) チェリビダッケ/フランス国立放送管
 Altus 1974年ライヴ ALT274
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アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリのピアノ演奏とセルジュ・チェリビダッケ指揮フランス国立放送管弦楽団の伴奏によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」。Altus。1974年シャンゼリゼ劇場でのコンサートのライヴ録音であり、当日演奏されたブラームスの悲劇的序曲も収録されている。

最初のブラームス・悲劇的序曲から度肝を抜かれる。アンサンブルの充実度がすこぶるつきで、実にド迫力だが、それでいて副声部の浮き出しも抜かりなく、重層的にアンサンブルを鳴らし切る指揮者の手腕が素晴らしい。続く「皇帝」はミケランジェリの披歴する妖刀のような切れ味のピアニズムが圧巻である。「皇帝」を得意としたミケランジェリの真骨頂ここにありというべきか。

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