オピッツによる「ジャパニーズ・ピアノ・ワークス」


「ジャパニーズ・ピアノ・ワークス」
 オピッツ(pf)
 ヘンスラー 2011年 98631
98631

独ヘンスラーから先般リリースされた、ゲルハルト・オピッツのピアノ演奏による「ジャパニーズ・ピアノ・ワークス」と題された日本の作曲家のピアノ作品集のCDを購入しました。2011年3月ドイツ・ノイマルクトでのセッション録音。

収録曲は
①藤家溪子 「水辺の組曲」
②武満徹 「雨の樹 素描」
③池辺晋一郎 「大地は蒼い一個のオレンジのような・・」
④諸井三郎 ピアノ・ソナタ第2番
の4作品ですが、収録時間の配分で見ますと全80分のうち①が約40分、②と③が各5分程度、④が30分という按配です。また④は本CDが世界初録音になるとのこと。

①に関しては、2009年に作曲家の藤家溪子がオピッツの長崎でのリサイタルを聴きに行った折に、10年前に自身が作曲した「水辺の組曲」のスコアをオピッツに手渡してみたところ非常に興味を示されたという経緯が記載されており、おそらく今回の録音に繋がったのではないかと思われますが、この作品についてオピッツは、この音楽の中には謎のようなものが多くあり、解き難い疑問が残るが、そのような疑問は西洋人の作品からよりも日本人の作品から多く浮かび上がる、という風に述べています。

④は諸井三郎が1940年に作曲した作品で、緊迫した世界情勢の中で日本の将来を深く考える中から生み出されたものであるという作曲家自身のコメントが掲載されています。このソナタに関して演奏者のオピッツは、構成上のスタイルはパウル・ヒンデミットの影響によりつつ、直接的にはリストのロ短調のピアノ・ソナタにインスパイアされた作品ではないかと分析しています。

この録音は東日本大震災の直ぐ後に為されており、CDにはオピッツおよびヘンスラー制作陣の日本へのエールとしてのリリースと書かれていますが、いずれにしてもドイツのピアニストの大家による貴重な邦人作品のレコーディングですのでじっくりと耳を傾けてみたいと思います。

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