ゲルギエフ/マリンスキー歌劇場管弦楽団によるヴェルディの歌劇「運命の力」(初演版)全曲


ヴェルディ 歌劇「運命の力」(初演版)全曲
 ゲルギエフ/マリンスキー歌劇場管弦楽団
 フィリップス 1995年 446951-2
446951-2

昨日のブログ記事においてワレリー・ゲルギエフ指揮マリンスキー劇場管弦楽団の演奏によるドニゼッティの歌劇「ランメルモールのルチア」の新譜を購入しましたことを書きましたが、このコンビが現在までに録音したイタリア・オペラの全曲CDというと私の知る限りではフィリップスから1997年にリリースされたヴェルディの歌劇「運命の力」初演版の全曲盤が唯一のものではないでしょうか。

このゲルギエフ盤の「運命の力」は、このオペラが現在一般に上演される改訂版(1869年ミラノ・スカラ座での初演版)ではなく、1862年にロシア・サンクトペテルブルクのマリンスキー歌劇場で初演された版が採用されていることから、おそらくフィリップスとしても本格的なイタリア・オペラとしてのリリースというよりは「マリンスキー歌劇場ゆかりのオペラ」という位置づけでのリリースだったように思われますが、私は当時そのマリンスキー初演版の存在を全く知らなかったので、まず例の有名な序曲が短い序奏に変わっているのを皮切りに終幕でのアルヴァーロの投身自殺に至るまで、いわゆる慣行版との違いに聴いていて少なからず戸惑うとともに、オケのタフな鳴りっぷりにもロシアオペラのような雰囲気が漲り、ガリーナ・ゴルチャコーワやオリガ・ボロディナといったロシア人の歌手達の織り成すアクの強い歌唱展開も含めて、演奏としては悪くはないけれどちょっとヴェルディとはカラーが違うなと思ったりもしました。

以下はCDから話が少し逸れますが、私はヴェルディの「運命の力」を2000年のリッカルド・ムーティ率いるミラノ・スカラ座の来日公演の時に東京文化会館で観ました。この時の印象は以前にブログで触れたことがありましたが、当該公演での歌唱陣、特にレオノーラ役のマリア・グレギナと、ドン・アルヴァーロ役のサルヴァトーレ・リチートラの歌唱力の素晴らしさは今でも印象深く、その中でも第4幕ラストのカタストロフの中、哀しみにあえぐように「罪あるものだけが、罰を受けることなく生き残るのか」と叫ぶリチートラ迫真の絶唱は11年経った今でも私の耳の奥に刻みこまれています。

そのリチートラが先月に事故死したという報道には随分と驚かされました。かつて彼の歌唱に接しひとかたならぬ感銘を受けた者の一人として慎んで冥福を祈りたいと思います。

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