マッケラス/フィルハーモニア管によるチャイコフスキー交響曲第6番「悲愴」のCD感想


チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」
&メンデルスゾーン 「真夏の夜の夢」序曲
 マッケラス/フィルハーモニア管弦楽団
 シグナム・クラシックス 2009年ライヴ SIGCD253
SIGCD253

英シグナム・クラシックスから先般リリースされた、チャールズ・マッケラス指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏によるチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」のCDを聴きました。2009年2月のロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライヴで、ディスクの余白には同日に演奏されたメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」序曲が収録されています。

周知のようにマッケラスは昨年7月に癌により死去されました。これまでレコーディングを豊富に残しているので私もCDを通して数々の名演奏に巡り合いましたが、ほとんど来日がなかったこともあり、その実演に接する機会はありませんでした。

ここでの「悲愴」ですが、さすがに百戦錬磨の名匠の指揮にふさわしく、揺るぎない音楽造形の構築ぶりが見事ですし、全体的にテンポの引き延ばしやルパートといった芝居がかった表現を厳しく慎み、スコアの指示を忠実に守りつつ、アンサンブルを厳しく走らせ、この指揮者ならではの堅実な構成力が隅々まで張り巡らされている点に傾聴させられました。

それゆえ情感的には全体にサラッとした表現であり、ロシア本場の濃厚なテイストをチャイコフスキーに求める聴き手には向かない演奏かもしれないという気はします。

しかし、この演奏でのアンサンブルの贅肉感の希薄さはただごとではなく、ことにフォルテッシモでオーケストラが醸し出すキリリと引き締まった雄大な音響的パースペクティヴには純音楽的な演奏ならではの凄味が醸し出されていて感銘深く、このあたり最晩年のマッケラスの職人的な指揮の醍醐味の一端を垣間見るような印象を感じました。

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