シノーポリ/フィルハーモニア管によるプッチーニ歌劇「蝶々夫人」全曲


プッチーニ 歌劇「蝶々夫人」全曲
 シノーポリ/フィルハーモニア管弦楽団
 グラモフォン 1987年 POCG3491/3
POCG3491-3

昨日に引き続きオペラ全曲盤を聴きました。ジュゼッペ・シノーポリ指揮フィルハーモニア管弦楽団によるプッチーニの歌劇「蝶々夫人」。このオペラは先月、新国立劇場で観たばかりですので、その復習のような感じで聴いてみました。

キャストは、外題役がミレッラ・フレーニ、ビンカートンがホセ・カレーラス、スズキがテレサ・ベルガンザ。実に豪華なものです。また日本が舞台のオペラということからか、日本人のオペラ歌手が3人も起用されているのが目を引きます。

オーケストラ演奏においてはシノーポリの面目躍如たる鋭い起伏力が印象深く、聴いていて少々エキセントリックなくらいオケを煽りに煽る場面も多々あったりしますが、このオペラの解釈に関してシノーポリ自身がライナーノートで語っているところによると、このオペラは本質的に日本のドラマではなく、とくに蝶々夫人のアイデンティティの喪失という側面に注目するならば、むしろ20世紀初頭のヨーロッパに典型的な物語としてとらえるべきだ、とのこと。

このあたり、先月に新国立劇場で観た、このオペラの栗山民也の演出でも、日本的なものを必要以上に強調しないという点が強調されていたので、考え方として一脈通じるものがあるのではないかと思います。もっともシノーポリは同時に、このオペラ終盤のシナリオを蝶々夫人の「精神崩壊のプロセス」と規定して論じていますが、そこまで行くとさすがに行き過ぎというか飛躍が過ぎるようにも思えますが、ともあれ演奏自体は歌唱陣も含めて素晴らしく、これはシノーポリの残した一連のオペラ録音の中でも出色のものではないかと思います。

コメント

 

コメント

 
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

Powered by FC2 Blog
Copyright © クラシックCD感想メモ All Rights Reserved.