バシュメットによるシュニトケのヴィオラ作品集


シュニトケ ヴィオラ協奏曲、トリオ・ソナタ
 バシュメット(va)、ロストロポーヴィチ/ロンドン交響楽団
 RCA 1988・90年 BVCC1949
BVCC1949

昨日にひきつづきバシュメットのCDを聴きました。シュニトケが1985年に作曲した2曲のヴィオラ作品の録音です。

このうちヴィオラ協奏曲の方はシュニトケがバシュメットからの依頼に応じて作曲した作品ですが、彼のソリストとしての卓抜した技量を考慮し、ソロ・パートのテクニック上の上限は考えなかった、とのいうくらいの難曲。ここではロストロポーヴィチ指揮ロンドン交響楽団をバックに演奏されています。トリオ・ソナタの方は本来ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロのための弦楽三重奏曲が原曲だったものをバシュメットが弦楽オーケストラ版として編曲したもので、手兵モスクワ・ソロイスツを弾き振りしての録音です。

周知のようにバシュメットという人は、ヴィオラという楽器を真に独奏楽器として確立させたという点で革命的な音楽家として知られています。なるほどベートーヴェンでさえヴィオラを独奏楽器としてみなした作品は書かなかったし、ずっと日陰の存在だったヴィオラという楽器の独奏楽器としてのポテンシャルをフルに引き出した、という点では、確かにバシュメットは偉大ですが、その反射としてシュニトケのヴィオラ協奏曲という作品のもつ歴史的な意義もまた同じくらい評価されてもいいのではという気もします。

シュニトケというと、かつてポストモダニズムの先端に立つ作曲家だとかマーラーやベルクの音楽的後継者などという評価が一般に言われていましたが、そういった教条的な見方を離れて彼の作曲した音楽を聴くと、彼の革新的な独創性に満ちた作風(バシュメットの「音楽家としての革新性」に共鳴した理由も、多分そのあたりにあるのでしょう)こそシュニトケの音楽の本質であり、そのことが本CDの演奏ではバシュメットという稀代の名手により明確に表現されている。ナイス・パフォーマンスです。

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