メータ/ベルリン・フィルによるR.シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」


R.シュトラウス 交響詩「英雄の生涯」
 メータ/ベルリン・フィル
 ソニー・クラシカル 1992年ライヴ SRCR9804
SRCR9804

リヒャルト・シュトラウスの交響詩「英雄の生涯」の実演を先月、2つ聴きました。N響と都響、それぞれの定期演奏会で、たまたま同じ週でした。

この「英雄の生涯」という曲、それまで私は過去に一度もコンサートで聴いた記憶がないので、実演で聴いたのは初めてだったと思います。特に好んで聴きに行く、という曲ではないし、正直わざわざコンサートに聴きに行くほどの曲か?という気もしていました。

それでも聴きに行ったのは、N響の方は昨日ブログで書いたとおりキュッヒルのソロに興味があったからで、都響の方は、インバル指揮の同オケが最近絶好調だという評判が芳しいことから、このコンビの実演を私が最後に聴いたのが去年のマーラー3番で、1年ぐらい御無沙汰だったし、この時期にインバルが果敢に来日するということもあり聴いておきたいと思ったからでした。

つまり双方とも「英雄の生涯」が掛かるからという理由で足を運んだのではなかったわけで、基本的には私はリヒャルト・シュトラウスという作曲家が苦手というか、どうも良くわからない部分があり、実際リヒャルト作品のオペラ上演にも、今まで一度も足を運んでいないという有り様。ヴェルディ、ワーグナー、プッチーニあたりの有名どころの作品のオペラ上演なら大体は観ているのに、リヒャルト作品は全滅。

この「英雄の生涯」という曲は、どういう曲でしょうか。作曲家が30代前半という若さで自分の全生涯を振り返り功績を讃え引退する、という曲だが、どこまで本気なのかというと、この曲を作曲したあと本当に作曲から手を引いたというならまだしも、彼は以後も変わらず作曲を続け、いくつも後世に残る名作を残しているわけで、ある種の冗談めいた、シュトラウス一流のユーモアという側面が色濃く出ているように思われるとともに、そんなに真剣に聴くような曲なのか、というような疑問もよぎる、、

そういうわけで、正直CDもそう滅多には聴かないところが、先日ふと思い立って聴いてみたのが、このズービン・メータ指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団による同曲のライヴ盤でした。
 
レーベルはソニーで、昨日ブログで触れたクライバー/ウィーン・フィルの「英雄の生涯」ライヴの、幻となったソニー盤と同じ時期の録音というあたり、妙な因果を感じます。解釈は押し並べて規範的であり、細部まで丁寧に配慮されている運用には好感がもてるも、この曲で描かれている波瀾万丈の「英雄」のイメージからは聴いていて少々物足りなさを感じなくもないですが、メータがベルリン・フィルを指揮して集中的にリヒャルト作品に取り組んでいた時期の録音だけに、オケのレスポンスは上々だし、メータとしても同曲の実に3度目の録音ということで、作品を完全に掌握しているかのような余裕のある指揮ぶりです。

このCDには同じ作曲家のホルン協奏曲第2番も収録されています(ホルン奏者はノルベルト・ハウプトマン)。リヒャルト作品の中では気に入っている曲です。1942年、作曲家の晩年の作品で、「英雄の生涯」に比べれば圧倒的に簡素な書法ながら、晩年の作曲家のもつ音楽の含蓄に惹かれます。

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