シモーネ/イ・ソリスティ・ヴェネティによるヴィヴァルディの協奏曲集「調和の霊感」全曲


ヴィヴァルディ 協奏曲集「調和の霊感」全曲
 シモーネ/イ・ソリスティ・ヴェネティ
 エラート 1987年 WPCS4761-2
WPCS4761-2

昨日(6月6日)の朝日新聞の夕刊に、ちょっと興味深い記事が掲載されていました。

愛猫「三味線に」酔って電話 独文学者、告白書簡

詳しくは上記リンク先に書かれていますが、つまり内田百の随筆「ノラや」に出てくる「悪戯電話」の犯人が思わぬ形で判明した、という記事です。

上記リンク先の記事の中でも言及されていますが、この悪戯電話のエピソードが、黒澤明監督の最後の作品であり、内田百の晩年の人となりを描いた映画「まあだだよ」の中で描かれていたことを思い出しました。

この「まあだだよ」という映画、笑いと人情をベースとした、黒澤監督らしからぬとさえ思える穏やかな作風のフィルムで、昔これを観たときには「これってホントに黒澤映画なのか?」と思ってしまったほど。その意味ではヴェルディの最後のオペラ「ファルスタッフ」に似ているなと私は思っています。ともに熾烈な作風で全盛期を築いたヴェルディと黒澤明、いずれも最後に穏やかな笑いの物語りで幕を閉じた。

この映画は上映に2時間を超える長さに反して、劇付帯音楽はたった一曲しか使われていません。クラウディオ・シモーネ指揮イ・ソリスティ・ヴェネティの演奏によるヴィヴァルディ「調和の霊感」第9番の第2楽章です。

これはエンディングを除けば劇中で2回だけ流されていたはずで、いずれも絶妙のシーンで流されるため強烈な印象を醸し出していましたが、その中のひとつが上記「悪戯電話」の直後の場面。この映画のクライマックスというべき名シーンですね。

エンディングシーンも素晴らしく、ヴィヴァルディの音楽の美しさとスクリーンの幻想的な美しさとが渾然一体となり、一度見たら脳裏に焼き付いてしまうほど。映画としては賛否両論の作品ですが、あのエンディングは絶対に一見の価値ありです。

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