「こんな夢を見た」~浜岡原発の原子炉運転停止要請に思うこと


来年のLFJのテーマは「ロシア」とのこと、、

ロシア、、地域の括りとしては、絶妙かもしれない。「ドイツ」や「ウィーン」だと広すぎるし、「アメリカ」や「日本」だと、狭すぎる、音楽史的に。

ただ、一人の作曲家をデンとテーマに据えるというのは、去年のショパンを最後に、もうないのかなという一抹の寂しさも感じる。

テーマ作曲家といえば、今年のLFJのテーマは「タイタンたち」だったので、当然マーラーを中心としたテーマ構成が予定されていたが、あの震災によるAホール使用不可などの、公演規模縮小の煽りをうけ、当初予定されていたマーラー演目の公演は、交響曲を中心に壊滅状態となり、結果的にブラームス一色のような状態となってしまった。これは生き残ったホールの規模の関係上、室内楽の公演を中心にせざるをえなかったことが、大きく響いたように思う。こと室内楽の分野に関しては、マーラーとブラームスでは、勝負にならない。

なので、今年のLFJの実質的なテーマ作曲家は、紛れもなく「ブラームス」だった。おととし私は、バッハをテーマとしたLFJが終ったとき、来年はショパンだと発表されたのを受け、それじゃ再来年はブラームスではないかと予想してブログに書いたが、その予想が結果的に、変な形で当たってしまったようだ。

話はガラッと変わるが、菅直人首相が昨日、首相官邸で緊急記者会見を行ったところによると、静岡県御前崎市にある浜岡原発の、すべての原子炉の運転停止を中部電力に要請した、とのこと。すでに今日の朝刊で大手各紙が一面トップで大きく報じている。

むろん実現するまでには紆余曲折あるだろうし、止めるにしても、完全停止まで何年もかかるのだろうし、止めることによって日本経済が失うものも、決して小さくはないかもしれない。だから、これを英断と決め付けるのは早計かもしれない。

この報道を知ったとき、私の脳裏に鮮明に思い起こされたのが、黒澤明監督の晩年の作品「夢」の中のエピソード、「赤富士」だった。もし原子炉の運転停止が本当に実現するなら、あの身も毛もよだつような「赤富士」の光景は、万が一にも起こりえないだろう。

この「夢」という映画は、1990年公開の作品で、8話のショートストーリからなる、オムニバス形式の映画となっていて、全話とも最初、夏目漱石「夢十夜」さながらに「こんな夢を見た」と表示されて始まる。

「赤富士」は、その6番目のエピソードだ。いきなり真っ赤な富士山が噴火を起こしているようなシーンで始まる。ものすごい数の群衆が逃げ惑っている。そこへ主演・寺尾聰の扮する主人公の旅人が登場。「噴火したのか、富士山が、、大変だ」。

幼子を負ぶった女が言う「もっと大変だよ、あんた知らないの? 発電所が爆発したんだよ、原子力の」。黒い服の男いわく「あの発電所の原子炉は6つある。それがみんな、次から次へと爆発を起こしているんだ。」

迫りくる放射能。もはや逃げ場はない。幼い子供を負ぶった女が叫ぶ・・「原発は安全だ、危険なのは操作のミスで、原発そのものに危険はない、絶対ミスは犯さないから問題はない、ってぬかしたやつら、許せない! あいつらみんな縛り首にしなくちゃ、死んだって死にきれないよっ!」 その叫びを聴いた黒い服の男は、「すいません、僕もその縛り首の仲間の一人でした」と言い残し、海に身投げをする、、

このエピソードは、もう誰が見ても明らかなくらい、国の原発政策への警鐘となっている。この映画を10年くらい前に見たとき、正直この「赤富士」(と次のエピソード「鬼哭」)については、全くピンとこなかったが、今DVDで観て見ると、、、さすがにゾッとせざるを得ない。

これが文字通り「夢」で終わるのなら、英断と評してもよいのではないか。難しいところかもしれないが、、

以上、今回はTwitterモードでした。

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