フェドセーエフ/モスクワ放送響によるショスタコーヴィチ交響曲第1番と第15番


ショスタコーヴィチ 交響曲第1番・第15番
 フェドセーエフ/モスクワ放送交響楽団
 キャニオンクラシックス 1996年 PCCL00351
PCCL00351

先週サントリーホールでフェドセーエフ/東京フィルの演奏会を聴きましたが、そのときのストラヴィンスキー「ペトルーシュカ」を聴いていたら、ずっと以前に同ホールで耳にしたフェドセーエフ率いるモスクワ放送交響楽団の来日公演のことが思い出されました。

2001-7-9

2001年7月の同楽団の来日公演で、この時の演目はオール・チャイコフスキー(弦セレ、1812年、交響曲第5番)でしたが(確かアンコールとして外山雄三「管弦楽のためのラプソディ」も演奏されたはず)、特に後半の交響曲第5番の演奏が圧巻でした。このオーケストラが名称に持つ「チャイコフスキー記念」の名に恥じない、そのアンサンブルの表現力、ことに管楽器とティンパニの雄弁な迫力といったらなく、ここぞという時にはホールを吹き飛ばすかのような最強奏をお見舞いする、かと思えば、理性的にまとめるべきところでは徹底的に理性的にまとめる、この変わり身の凄さにも聴いていて唖然とさせられたことを憶えています。

そのフェドセーエフの録音に関しては最近モスクワ放送響とのベートーヴェンとブラームスの交響曲全集がリリースされて話題となりましたが、それらのドイツ・レパートリーの演奏はなかなかに個性的であり私も耳にして新鮮な印象を与えられるものでしたが、しかしフェドセーエフの本領はやはりロシア系ないし旧ソ連系の作品群にあるように思えますし、特にショスタコーヴィチの交響曲全集の完成こそは、おそらくフェドセーエフに対して多くのリスナーから最も期待されている仕事ではないかと思えます。

そのショスタコーヴィチの交響曲全集にフェドセーエフ/モスクワ放送交響楽団が着手したのが1996年、第1番と第15番の組み合わせでキャニオンからリリースされました。これは交響曲全集の第1弾であるとライナーノートに明記されているとおり、この時点ではキャニオンが全集として録音を継続する意図があったはずですが頓挫し、現在はレリーフから全集録音が継続的にリリースされているという状況です。

旧ソ連系の指揮者と旧ソ連系のオケによるショスタコーヴィチ交響曲全集としては、現状コンドラシン/モスクワ・フィルとロジェストヴェンスキー/ソ連文化省交響楽団の2セットしかないですし、ここにフェドセーエフ/モスクワ放送響の全集も(ゲルギエフ/マリインスキーとともに)加わるべきではないかと思っています。

ただ、仮にフェドセーエフとモスクワ放送響が今後ショスタコーヴィチの交響曲の録音を続けていって最終的に全15曲を録音したとしても、複数レーベルにまたがっている以上、将来的に全集としての一体的なリリースは難しいのかもしれません。同じことはゲルギエフ/マリインスキーにも言えますが、どうも旧ソ連系のオケは何故だか、総じてショスタコーヴィチ交響曲全集の録音に恵まれないなという気がしています。

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