イヴァノフと大野和士/リヨン国立歌劇場管によるデュティユーとデハーンのヴァイオリン協奏曲集


デュティユー ヴァイオリン協奏曲「同じ和音の上に」・「夢の樹」&デハーン ヴァイオリン協奏曲
 イヴァノフ(vn) 大野和士/リヨン国立歌劇場管弦楽団
 APARTE 2009年 AP007
AP007

仏APARTEレーベルから先月リリースされた、ヨッシフ・イヴァノフのヴァイオリン・ソロと、大野和士の指揮するリヨン国立歌劇場管弦楽団の演奏による、デュティユーとデハーンのヴァイオリン協奏曲集のCDを聴きました。

収録曲はデュティユーのヴァイオリンと管弦楽のためのノクターン「同じ和音の上に」、同じくヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲「夢の樹」、それにベルギーの作曲家ラファエル・デハーンのヴァイオリン協奏曲の3曲です。

先般の新国立劇場「トリスタンとイゾルデ」での好演が記憶に新しい大野和士の最新録音ということで購入しました。ので、ここでヴァイオリン・ソロを務めているヨッシフ・イヴァノフは私には全く未知のヴァイオリニストですがライナーノートの情報によりますと、弱冠16歳でモントリオール国際コンクールに優勝し、2年後のエリザベート王妃国際音楽コンクールで第2位という経歴を持つとのことです。

デュティユーの「夢の樹」は1985年にアイザック・スターンのために書かれた作品、同じく「同じ和音の上に」は2002年にアンネ=ゾフィー・ムターのために書かれた作品で、いずれも高度なヴァイオリン技術が要求される難曲ですが、ここでのイヴァノフのソロは作品が要求する技術を無難にクリアしたうえで細やかなフレージングのニュアンスの移り行き、あるいは音色のデリケートな変遷までも余すところなく描き尽くとさえ思われるほどのボウイングの緻密ぶりが素晴らしく、大野和士の指揮もすこぶる機動的にアンサンブルを運用しながら時に透き通るような美しい肌ざわりと、時に白熱的な情熱の高揚とを十分に描き尽くし、それこそデュティユーの音楽の機微に寄り添った演奏を展開せしめていて間然とせず、デュティユーの録音としては希に見るほどに魅力的な演奏に仕上げられて見事というほかありません。

対して1990年に作曲されたデハーンのヴァイオリン協奏曲は30分近くを要する大曲ですが現状ほとんど知られておらず録音されることも希と思われます。こちらは私自身まだ咀嚼が十分でないゆえ特に感想はひかえますが技巧的にはデュティユー同様かなりの難曲と思われ、少なくとも腕の立つヴァイオリニストには挑戦しがいのある曲ではないかと感じました。

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