マリナー/アカデミー室内管によるハイドンの交響曲第6番「朝」・第7番「昼」・第8番「晩」


ハイドン 交響曲第6番「朝」、第7番「昼」、第8番「晩」
 マリナー/アカデミー室内管弦楽団
 フィリップス 1980年 PHCP-9237
PHCP9237

新譜ではありませんが、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズの演奏による、ハイドンの交響曲第6番「朝」・第7番「昼」・第8番「晩」のCDを聴きました。先日サントリーホールで聴いたカンブルラン/読売日響の演奏会で、このハイドンのシンフォニー3部作が取り上げられ、新鮮な感懐に打たれましたので、CDでも久しぶりに聴いてみたいと思ったからです。

このマリナー盤に関しては、昨年の7月にブログに掲載した、ドラティ/フィルハーモニア・フンガリカによるハイドンの交響曲「朝」「昼」「晩」の録音を聴いた感想の中で、ドラティ盤と対照的なスタイルの録音の一つとして挙げていました。そのときは本格的なシンフォニー・スタイルのドラティ盤と対比する形で、モダン楽器の名手を揃えた室内オーケストラによる、各種木管ソロを含めた器楽的な表現力の冴えが楽しめる一枚として、このマリナーの録音を挙げていた次第ですが、この3部作を私自身が初めて耳にしたのが、実はこのマリナー盤にほかならなくて、何より一日の時刻の移り変わりを音楽で表現しようというコンセプトが親しみ易く、ひところ頻繁に聴いていたこともあって、このマリナー盤には今でも愛着を持っています。

周知のようにマリナーは1970年代に入ってからハイドンの交響曲を多く録音しており、このCDの演奏もその一環ですが、その録音方針は少しユニークで、「副題(ニックネーム)付きの作品だけ」を選んで録音するという方針で臨んでいました。

これはレコーディングの姿勢としては少々安易な発想とも思えますが、いま思うにマリナーの提案というよりはフィリップス・レーベルとしての方針に従ったまでではないかという気がします。というのも、ちょうどライバルのデッカがドラティ/フィルハーモニア・フンガリカによるハイドンの全交響曲の録音を着々と進めていた時期にあたり、それに対するフィリップスなりの対抗策として打ち出されたプランではなかったかと思えるからです。もうひとつの雄であるグラモフォンの当時におけるハイドンの録音スタンスが、ヨッフム/ロンドン・フィルを起用しながらザロモン・セット限定の録音に留まったことも含め、ことハイドンの交響曲の録音に関しては、当時の三大レーベル三者三様のレコーディング方針が鮮明に浮かび上がります。

このマリナーによる「朝」「昼」「晩」3部作は長らく廃盤状態だったところが最近になってオランダのレーベル「NEWTON CLASSICS」から復刻リリースされたみたいです。しかし30年前の録音なのに新譜と同じレギュラープライスなのは如何なものかという気はしますし、空前の円高の御時世、輸入盤の価格設定はもう少し安くてもバチは当たらないような気もしますが、どうなのでしょうか。

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