クナッパーツブッシュ/ベルリン・フィルによるブラームス交響曲第3番の1950年ライヴ


ブラームス 交響曲第3番
 クナッパーツブッシュ/ベルリン・フィル
 IDIS 1950年ライブ IDIS6362
IDIS6362

昨日の更新で、独auditeから先月リリースされた「クナッパーツブッシュ&ベルリン・フィル RIASレコーディングス(1950-52)」について収録曲や音質面などにつき簡単ながら掲載したところですが、このボックスセットには確かにクナッパーツブッシュが1950年から52年にかけてベルリン・フィルと残した数々の著名な録音がカバーされているものの、てっきり含まれていると思ったら漏れていた録音というのも幾つかあります。

その中のひとつが、このコンビによるブラームス交響曲第3番の1950年ライヴで、これは昨日のエントリーの中でハイドン交響曲第94番「驚愕」の音質比較に用いたIDIS盤において、そのハイドンと組み合わされて収録されています。

このブラームスは、その演奏内容の奇形性において、ほとんど怪演・奇演の領域とも思えるものですが、そのインパクトは一度聴いたら容易に忘れられないほどに強烈です。

第1楽章冒頭の2つの強和音から極限的なテヌートをぶちかましておいて、第1テーマは超スロー、第2テーマも超スロー、展開部以降も超スロー、、、このあたり、まるで激流を無理矢理に堰きとめているかのような異様な緊迫感が立ち込めていて、聴いていて何だか恐ろしくなってくるほどですが、さらに驚かされるのがコーダの(19:48)からのフレーズの、ものすごい引き伸ばしで、これは最強奏の最中であるだけにインパクトがハンパでないですし、造型的にもメチャクチャもいいところですが、あの天下のベルリン・フィルをそのメチャクチャに引きずり込む、この指揮者の往年におけるカリスマの本領をここに聴く思いがします。

中間2楽章は第1楽章ほど奇形的ではないものの、スロー調の濃密感が際立ち、ことに第3楽章主部のチェロのむせかえるような音色の濃さは聴いていて強烈な印象を醸し出しています。

終楽章は第1楽章に拍車をかけたような表現で、スロー・テンポの音楽的密度が極地に達しますが、とりわけ(4:44)からの金管強奏展開においては、これ以上不可能というくらいにテンポを落とし、人間の断末魔をも思わせるもの凄い響きを表出せしめていて空恐ろしくなるくらいですし、ここまでくると単なる怪演・奇演では済まされない、その迫真の表現力に聴いていて唸らされます。

以上、このブラ3はクナッパーツブッシュがベルリン・フィルと残した一連の録音の中でも破格の演奏のひとつと思っていたので、これが今回のauditeのセットから漏れたのはいささか残念に思いました。

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