ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管によるブルックナー交響曲第5番


ブルックナー 交響曲第5番
 ブロムシュテット/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
 クヴェルシュタント 2010年ライヴ VKJK0931
VKJK0931

独クヴェルシュタントから先月リリースされた、ヘルベルト・ブロムシュテット指揮ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団の演奏によるブルックナー交響曲第5番のCDを聴きました。これは2010年5月にライヴ収録された演奏です。

ブロムシュテットのブルックナーとしては昨年7月にリリースされた交響曲第6番に続くものとなりますが、周知のようにブロムシュテットはブルックナーを得意レパートリーとする指揮者であり、これまでゲヴァントハウス管、サンフランシスコ響、ドレスデン・シュターツカペレの3つのオケを振り分ける形でブルックナーの主要曲ともいうべき第3、第4、第6、第7、第8、第9の6曲まで録音済みで、そのうち4番、6番、7番に関してはオケを違えて各2種の録音まで残しているにも関わらず、どういうわけか第5番だけ今まで一度も録音が行われていませんでした。

今回の新譜はそのブロムシュテットが初めて録音した5番ですし、前回リリースの6番の演奏が素晴らしかったこともあり興味津々で購入しました。

それで聴いてみると第1楽章の冒頭からブロムシュテットのブルックナーらしく職人気質的に折り目正しい運用から何ら奇を衒うことなくオーソドックスにアンサンブルを進めていきつつ、そこに立ち昇る深々とした響きの得もいわれぬほどの味わいと恰幅のあるスケールの大きさを意識させられる音楽の風貌が何とも素晴らしく、ゲヴァントハウス管の充実を極めたアンサンブル展開の醍醐味もあり、いわばブルックナーを知悉した指揮者が奥深い伝統を背負ったオーケストラを指揮してブルックナーを演奏した場合このような充実を極めた演奏になるだろうという聴き手の期待感どおりの見事な演奏が披歴されており、実に深々とした余韻とともに第1楽章を聴き終えました。

そしてこのような印象は第2楽章以下を聴き進めていくうちに一層の確信となるばかりで、全体を通して実質的な意味での音楽としての訴えかけに心満たされる思いでしたし、全編を聴き終え近年まれにみるほどの「本場のブルックナー」としての醍醐味を心ゆくまで堪能することができ感無量でした。

それにしても2010年の現在これほど深々とした味わいを満たしたブルックナーの演奏が一体どうやったら可能なのかとも思いましたが、ここでのブロムシュテットの演奏様式は一言でいうならオーソドックスですが、例えばアタックを強調せず柔らかな手触りを追求しているだけのようなソフト・ライクな運用ではなく、シビアに決めるべきところは的確に決めるあたりなど、ただ練達の表現力というに留まらない、いわば作品が完全に自分の手のうちに入ったかのような余裕あってこその表現力ではないかと思えますし、ゲヴァントハウス管のオーケストラとしての非凡なポテンシャルの賜物という面も大きいような気もします。

おそらく次回リリースされるのは交響曲第4番「ロマンティック」ではないかと思いますが(第3~第9の主要7曲のうちブロムシュテットがゲヴァントハウス管と録音していない曲は、あと4番だけですので)、それも楽しみですし出来ればゲヴァントハウス管と来日してブルックナーの実演を聴かせて欲しいと思います。

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