雑談×3(サロネンのキャンセル、クライバーの伝記、バイロイトのミステリー小説)


今日は雑談です。話題は3つ。

まず例のサロネンのキャンセルの話題、ネット上でも随分と取り上げられているようで、あらためて波紋の大きさが伺われます。

私も急な告知で驚きましたが、少なくとも今回の変更に関して取り立てて不満は感じません。昨日も書きましたようにマーラーの9番が流れたのは確かに残念ですけど、その代わりブルックナーの9番が聴けるのは嬉しいですし、代役も申し分のない指揮者ですし。

とはいえ私にとって今年、こういったドタキャンに見舞われたケースとしては、これが実に3度目なんですけど(笑)、、

まず4月にアルゲリッチのラヴェルがドタキャンで流れ、先月にゲオルギューのヴィオレッタがドタキャンで流れ、そして今回またウィーン・フィルのマーラー9番がドタキャンで、、、まあ重なる時は重なるもの、ということでしょうか。2度あることは3度ある。仏の顔も3度まで(←?)。



カルロス・クライバーの自伝「カルロス・クライバー ある天才指揮者の伝記」の日本語訳の下巻が先月、発売されました。書店で購入し、さっそく読み始めています。

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この下巻ですが、巻末にカルロス・クライバーのディスコグラフィーとビデオグラフィーが掲載されています。そのディスコグラフィーのリストは正規盤と非正規盤に分けられて掲載されているのですが、正規盤の方が3ページなのに対し、非正規盤の方は8ページに渡ってディスクがリストアップされています。いかに「埋もれている音源」が多いか、一目瞭然です。

まだ最初の方しか読んでいませんが、やはり面白く、とくにCDで聴くことのできる演奏との関係から、いろいろと興味をひく記述が多く見られます。それらについては上巻の時と同様に、個々の録音と本文の記述とを突き合わせる形で、いずれブログに掲載することを考えています。



深水黎一郎・著「ジークフリートの剣」

   216453-5

これは先月発売の新刊で、バイロイト音楽祭を舞台とするミステリー小説です。ミステリーは普段あまり読まないんですが、これは書店で見かけて面白そうだと思い、上のクライバーの本と一緒に購入しました。

とりあえず序盤あたりを読んでみましたが、なかなか面白いです。

 ドイツのバイロイト音楽祭における「ニーベルングの指輪」新演出上演(プルミエ)のジークフリート役に、日本の若きテノール藤枝和行が選ばれたというニュースに、日本の音楽界は湧き立った。ワーグナーの聖地バイロイト、しかも「指輪」のジークフリートとあれば、大騒ぎするなという方が無理な話で、日本じゅうの音楽雑誌が特集を組んで、この若きヘルデン・テノールのプロフィールを紹介した。・・

            「ジークフリートの剣」P.27より

この日本人テノール歌手が本書の主人公。彼には有希子という婚約者があった。彼女はソプラノ歌手で、同じくバイロイトの「指輪」の、「ワルキューレ」でのオルトリンデ役に抜擢されていた。二人はバイロイトでのキャスティングの発表と同時に婚約を発表し、幸せの絶頂にあった。しかし有希子は以前、人の未来が分かるという謎の占い師から「あなたは幸せの絶頂で命を落とす」と予言されていた。その予言は図らずも的中し、彼女はバイロイトの舞台に立つ直前に列車事故で命を落としてしまう。悲しみに暮れる主人公は、婚約者の遺骨を抱いてバイロイトの舞台でジークフリートを歌うことを決意する、、、

・・というのが序盤までの大まかなあらすじです。ここから話がどう展開するかは、まだ続きを読んでいないので分かりません。面白いと言うのは、バイロイトのオペラ上演に関する記述が実にリアルかつ緻密に描き込まれている点です。どうも著者は筋金入りのオペラ通のようで、特にワーグナーのオペラに恐ろしく造詣が深い。それは本職の音楽評論家も顔負けなくらいで、読んでいて思わず舌を巻くほどです。

例えば本書のP.53からP.60に渡って「ある音楽評論家」が書いたとされるバイロイト「リング」演出評が掲載されているんですが、それが実在する、しかも我々の良く知る高名な評論家の文章に、かなり似ています。そして、その後に「著者は日本の音楽評論の草分け的存在であり、音楽評論家としては異例の、個人全集まで出版されている大御所である」と書かれている。ここで読者が、ああやっぱり吉田秀和氏の文章に似せて書いたんだなと分かる仕掛けです。

いずれにしても、まだ序盤しか読んでいませんので、最終的に読み終えたとき本当に面白かったなと思えるか、なんだガッカリだったと思うか、現時点では何とも言えないところですが、もし面白かったなら改めて読書間奏で取り上げてみたいと思っています。

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