小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラによるチャイコフスキーの弦楽セレナード


チャイコフスキー 弦楽セレナード
&モーツァルト 「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」ほか
 小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラ
 フィリップス 1992年 PHCP-5158
PHCP-5158

食道がんの手術を終えて本格的な指揮活動の再開を目指す小澤征爾の、手術後初となる復帰コンサートが今月5日、長野県松本文化会館における「サイトウ・キネン・フェスティバル松本」において行われたというニュースが大きく報道されました

報道によると、この復帰コンサートでは、もともと約70分の指揮を予定していたところ、長期安静で筋力が低下したことが原因で腰痛が悪化し、現状で長時間の指揮をすることは回避すべきだと主治医から忠告を受け、指揮する時間を10分以内に変更することが事前に発表されていたそうです。

そのコンサートで小澤征爾が指揮した演目はチャイコフスキーの弦楽セレナード、その第1楽章でした。

チャイコフスキーの弦セレはサイトウ・キネン・オーケストラにとっての恩師ともいうべき齋藤秀雄ゆかりの曲であり、かつて齋藤秀雄が亡くなるわずか数週間前に、自身の病の悪化を省みず、桐朋学園オーケストラの団員を引き連れて志賀高原に合宿に赴いた際に指導した演目が、このチャイコフスキーの弦セレであったと言われていますが、今回の小澤征爾の指揮台への復帰、ならびに演目選択においては、そのあたりの師・齋藤秀雄の思い出が作用したものかも知れないと、そのニュースを聞いて思いました。

それにしても、その復帰コンサートでの弦セレ第1楽章、どのような演奏だったのでしょうね。よく言われるようにコンサートというものは生き物であり、後々まで語り草になるような素晴らしい演奏会というのは、こういう時に得てして生まれるものかもしれません。病の悪化を省みず、文字通り自身の生命を削るようにしてタクトを振っている、そんな指揮者を前にし、オケの奏でる響きとは果たして如何ばかりのものかと思えますし、そのような無二のコンサートの機会で、掛け替えのない時間を共有し得た聴衆の方々が羨ましく思えます。

そんなことを考えながら今夜、小澤征爾/サイトウ・キネン・オーケストラによるチャイコフスキーの弦楽セレナードのCDに耳を傾けつつ、かの松本の地での同曲の演奏に想像を巡らせてみました。

追記(2010/9/13):
 上記のエントリーを書いた際に、私の事実認識に少なからぬ錯誤があったことを後日に知りましたので、こちらの記事のとおりに訂正させていただきます。

コメント

 
NHKでの同曲放送をお聞きになられての感想もぜひ。
sheepsong55様
コメント有難うございます。

> NHKでの同曲放送をお聞きに
> なられての感想もぜひ。

そうですね、、来月15日にNHK教育テレビの芸術劇場で放送される予定とのことで、聴いてみようかとも思います。

もっとも、私にはテレビ放送(またはラジオ放送)で音楽を聴くという習慣が基本的になく、私にとっての音楽の供給源は専らCD(またはコンサートホールでの実演)ですので、テレビ放送を観た感想といっても多分「よく分らない」くらいしか言えないような気がします。

ですので申し訳ないですが感想の掲載に関しては、あまり期待しないでいただければと存じます。

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