テンシュテット/北ドイツ放送響によるベートーヴェン「英雄」のアスコーナライヴ


ベートーヴェン 交響曲第3番「英雄」、エグモント序曲
 テンシュテット/北ドイツ放送交響楽団
 メモリーズ 1979年ライヴ ME1069/70
ME1069-70

昨日の更新で、アルトゥスから先月リリースされたクラウス・テンシュテットとウィーン・フィルの一期一会のコンサートでのベートーヴェン「英雄」のライヴ盤を聴いての感想を掲載しましたが、テンシュテットの指揮によるベートーヴェン「英雄」の録音としては、これまで1991年のロンドン・フィルとのライヴがEMIからリリースされていたものが唯一の正規盤であったところ、今回のアルトゥスの正規盤が加わったという形になりましたが、もうひとつ有名なものとして、1979年の北ドイツ放送響との録音が知られています。

この「英雄」は同年のスイス・アスコーナ音楽祭でのライヴで、当時テンシュテットが音楽監督をしていた北ドイツ放送響を指揮した演奏ですが、伊メモリーズからCD化されています。これはCD2枚組で、もう一枚にはトロント交響楽団とのベートーヴェン交響曲第1番と第2番の77年ライヴが収録されています。

このテンシュテット/北ドイツ放送響の「英雄」、久しぶりに聴いてみました。アンサンブルに対する細大漏らさぬコントロールをベースに、ここぞと言う時の最強奏においてはオーケストラを臨界点にまで追い込む、テンシュテットの流儀に基づくベートーヴェンですが、聴いていてウィーン・フィルとの「英雄」ライヴでの演奏と似た印象が、そこかしこに感じられる点が興味深く、例えば第2楽章(11:20)あたりなどの壮絶な鳴りっぷりなど、響きの感触こと違えども、ウィーン・フィルとの「英雄」と同じく容赦のないものであり、凄まじいばかりです。

しかし音質に関しては、それなりに改善の余地もありかと思われ、確かに解像度は高いものの多少のっぺりとして横一線的な音場感という、ウィーン・フィルとの「英雄」のメモリーズ盤と同じような印象が、この北ドイツ放送響との「英雄」の音質にも当てはまり、いまひとつアコースティックにリアル感が乏しく、もし更に向上した音質で聴くなら、もっと凄い演奏なのではないかという予感を抱かなくもありません。

その意味で、この北ドイツ放送響との「英雄」の方も、いずれ正規盤が良好な音質でリリースされることを期待したいと思います。

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