マンゴヴァ、プリシチェペンコ、クリンガーのトリオによるショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番


ショスタコーヴィチ ピアノ三重奏曲第2番、7つのロマンス
 マンゴヴァ(pf) プリシチェペンコ(vn) クリンガー(vc)ほか
 リベラ・フーガ 2006年 MFUG525
MFUG525

ベルギーのリベラ・フーガから2007年にリリースされた、ショスタコーヴィチのピアノ三重奏曲第2番と「アレクサンドル・ブロークの詩による7つのロマンス」のCDを聴きました。演奏者はピアノがプラメナ・マンゴヴァ、ヴァイオリンがナターリャ・プリシチェペンコ、チェロがゼバスティアン・クリンガー、ソプラノがタチヤーナ・マリニチェンコというメンバーです。なお、これは以前にHMVオンラインサイトのCDセールで購入した10点のCDのうち未聴だった最後の一枚です。

ナターリャ・プリシチェペンコはアルテミス四重奏団の第1ヴァイオリン奏者、ゼバスティアン・クリンガーはバイエルン放送交響楽団の現在の首席チェロ奏者、プラメナ・マンゴヴァは録音時弱冠26歳のブルガリアの名手とのことです。

それで聴いてみると2曲ともに素晴らしい演奏で、特にピアノ・トリオは驚異的な演奏内容と感じました。

そのピアノ・トリオ、第1楽章冒頭のチェロのハーモニクス奏法からピリピリするような尋常でない気配が立ち込め、その異常な気配が徐々に音響的に凝縮されて前面に展開されていく様は圧巻としか言い様がなく、(4:08)あたりの壮絶な感じなど聴いていて鳥肌ものでしたし、何より、この楽章というのが本来的に如何に恐ろしい空気を孕んでいるか、ひしひしと伝わってきます。

第2楽章も冒頭から怒涛のようなテンポ上で苛烈なまでの色合いのアンサンブルが展開される様は、何か狂気と絶望とが、こんがらがって縺れるといったような、聴いていて息の詰まるような緊張感が立ち込めていて圧倒されるばかりです。

第3楽章は悲痛な鎮魂の調べが素晴らしい真実味をもって纏綿と奏でられていき、聴いていて胸を押さえつけられるようでしたし、終楽章では3人の奏者のポテンシャル全開と思えるまでの強烈な演奏が展開され、(5:25)あたりのクライマックスなど聴いていて震えのくるほどであり、聴き終えて残された痛いほどの余韻の深さも容易に忘れ得ぬものでした。

バーゲン買いしたCDでしたが、これほどの演奏に出会えた僥倖を喜びたいと思います。

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