セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管によるプッチーニの歌劇「ボエーム」全曲


プッチーニ 歌劇「ボエーム」全曲
 セラフィン/ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団
 デッカ 1959年 POCL3802/3
POCL38023

今月の下旬から来月初めにかけて、イタリアのトリノ王立歌劇場の初来日となる引っ越し公演が行われますが、その「ボエーム」の公演を観に行く予定です。去年のミラノ・スカラ座の時と同様、安い席が手に入ったので、文化会館の5階で観ます。

以前にもブログに書いたことがありますが、私はプッチーニのオペラの中でも「ボエーム」が大好きで、これはプッチーニの最高傑作ではないかとも思っています。もちろん他にも、出世作の「マノン・レスコー」、人気度ナンバーワンの「トスカ」、日本が舞台ゆえに親しまれている「蝶々夫人」、絶筆の「トゥーランドット」、いずれも名作ですが、どれか一つを取るとすると、私の場合は「ボエーム」です。

トリノ王立歌劇場はプッチーニの「ボエーム」と「マノン・レスコー」という2大オペラを世界初演した歴史を有するという(その「ボエーム」の初演は、かのアルトゥーロ・トスカニーニの指揮だそうです)、重みのある伝統を誇る歌劇場ですので、どのような「ボエーム」が観られるか、今から楽しみです。

それで、性懲りもなく予習ということで、トゥリオ・セラフィン指揮ローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団の演奏による「ボエーム」全曲盤をひと通り聴きました。歌唱陣はミミがレナータ・テバルディ、ロドルフォがカルロ・ベルゴンツィ、マルチェルロがエットーレ・バスティアニーニという陣容です。

あまりに有名な「ボエーム」の古典的名盤ですが、私が「ボエーム」というオペラを好きになったのも元はといえば、このセラフィン盤がキッカケだったように思います。特に素晴らしいのがテバルディのミミで、彼女の歌唱には他の誰が歌うミミとも違う独特のスケール感のようなものがあり、とにかく聴いていて惹き込まれます。録音時に80歳を超えていた巨匠セラフィンの指揮も絶妙、音質も抜群。これは私にとっての「ボエーム」最高の愛聴盤です。

以下、私が愛聴している他の「ボエーム」全曲盤の幾つかを簡単に紹介します。

4769212
プッチーニ 歌劇「ボエーム」全曲
 ジェルメッティ/ボローニャ市立歌劇場管弦楽団
 EMIクラシックス 1990年ライヴ 4769212

イタリアの名匠ジャンルイジ・ジェルメッティの指揮によるボローニャ市立歌劇場でのライヴ。ミミがダニエラ・デッシー、ロドルフォがジュゼッペ・サバッティーニ。気持ちのいいほど「イタリア」で固められたボエームですが、今では一般的になっている1988年発表の新校訂版スコアを初めて使用した録音だそうです。ここでは何といってもダニエラ・デッシーのミミが素晴らしく、「ポスト・フレーニ」としてミミを当たり役としていた頃の彼女の美質が、こよなく発揮されていて聞き惚れてしまいますし、サバッティーニのロドルフォも、往年のパバロッティ張りの高音の表現力が見事です。

UCCG14089
プッチーニ 歌劇「ボエーム」全曲
 ビリー/バイエルン放送交響楽団
 グラモフォン 2007年ライヴ UCCG-1408/9

このビリー盤については、すでに感想をブログに掲載済みですが、聴くほどに味の出るというのか、あれ以来ちょくちょく耳にして楽しんでいます。

GM60004
プッチーニ 歌劇「ボエーム」全曲
 C.クライバー/コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
 ゴールデンメロドラム 1979年ライヴ GM6.0004

「ボエーム」と言えばカルロス・クライバーの18番、しかし残念ながら正規盤が一つも無い、という状況です。とはいえ、残されている放送録音の中には音質が良好のものが少なくなく、全盛期のクライバーの振る「ボエーム」の醍醐味を比較的リアルに堪能することができるのは嬉しい限りと言うべきでしょう。その中のひとつが、このコヴェントガーデン王立歌劇場でのライヴ。2000年に伊ゴールデンメロドラムからリリースされたものです。ミミがコトルバシュ、ロドルフォがアラガル。音質は比較的良好で、全体にノイズ感は高いものの、下手なノイズリダクションが打たれていない分、かえって舞台の生々しさが良く伺われます。とはいえ、オリジナルテープの不具合からか、CD1の第12トラック(2:32)で音が数秒間消えていたりもしますし、決して手放しで絶賛できる音質もないので、やはり正規盤がリリースされるに越したことはありませんが、、

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プッチーニ 歌劇「ボエーム」全曲
 C.クライバー/ミラノ・スカラ座管弦楽団
 Recitative 1979年ライヴ recitative-115

こちらは有名な1979年3月30日ミラノ・スカラ座での「ボエーム」のライヴです。ミミ:イレアナ・コトルバシュ、ロドルフォ:ルチアーノ・パヴァロッティ、ムゼッタ:ルチア・ポップという豪華メンバーで、ミラノ・スカラ座をクライバーが指揮した、夢のような「ボエーム」の公演。嬉しいことに音質はまずまず。それなりにノイズレベルも高いものの、少なくとも実演の臨場感は高水準に保たれていて好ましい感じがします。豪華キャストの中でも、やはりパヴァロッティがひときわ目立っていますが、コトルバシュならではの可憐さを全面に押し出したミミも聴きものです。クライバーの指揮も素晴らしい。

FED-015-16-20-21
プッチーニ 歌劇「ボエーム」全曲
 C.クライバー/ミラノ・スカラ座管弦楽団
 Artists 1981年ライヴ FED-015.16.20.21

1981年のミラノ・スカラ座の日本公演のライブです。同年9月15日の、東京文化会館での公演が収録されています(来日時のもうひとつの演目である、ヴェルディ「オテロ」全曲ライヴも付いていて、こちらは同年9月2日の、NHKホールでの公演のようです)。おそらく公演当日の放送用音源が何らかの形でCD化されたものだと思われますが、幾分こもり気味のモノラル録音で、低音が多少ブカブカしますし、上下左右の音場の広がりが限定されているあたりも惜しいところですが、全体的にノイズ感が低く、聴き疲れしない音質です。ミミがフレーニ、ロドルフォがドヴォルスキーという組み合わせ。フレーニのミミはテバルディのスケール感とコトルバシュの可憐さを共存させたような趣きがあり、「ミミのスペシャリスト」としてのフレーニの持ち味が聴いていてリアルに伝わってくる感じがします。

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