井上喜惟/ジャパン・シンフォニアによるラヴェル「クープランの墓」とフランクの交響曲


フランク 交響曲&ラヴェル 組曲「クープランの墓」
 井上喜惟/ジャパン・シンフォニア
 アルトゥス 2009年ライヴ ALT187
ALT187

アルトゥスから先週リリースされた、井上喜惟の指揮ジャパン・シンフォニアの演奏による、フランクの交響曲とラヴェルの組曲「クープランの墓」を収録したCDを聴きました。両演とも昨年の4月29日に第一生命ホールで行われたジャパン・シンフォニア定期演奏会におけるライヴ録りです。

その当日の演奏会を私は客席で聴きましたが、各演目とも音楽のフレッシュな妙味の豊かな演奏であり、とりわけ後半のフランクは、およそ井上喜惟とジャパン・シンフォニアのコンビのみが為し得るのではないかと思われるほどに個性的でありながらも、表現としての高い純度を示した、聴きどころ満載の演奏でした。ので、その時のライヴ録音がリリースされたと知り、すぐさま購入したのでした。

なお当日は他に、蔵野蘭子のソプラノ独唱でショーソンの歌曲集「愛と海の詩」も演奏され、こちらも傾聴に値する演奏でしたが、今回リリースのCDには残念ながら含まれていません。

さっそく聴いてみると、ラヴェル、フランク、ともに概ね私が昨年ホールで体験したイメージ通りの演奏という感じで、特に後半のフランクにおいては、8型という小編成のアンサンブルならではの求心力に由来する音響的な集中力が素晴らしく、テンポ等においても、随所にアンサンブルの量感的な弱みをカバーする工夫が聴かれ、決して重厚ではないのに聴き応えは濃厚、そんな充実した手応えを感じさせる演奏であり、聴いていて昨年のコンサートで味わった際の感興が、まざまざと蘇ってくるような感覚に満たされました。

もっとも、実演において小ホールの空間を飽和させることなく満たしながら、こよなく引き締まって響いたトッティでの、あの絶妙な感触などは、こうしてCDで聴くと正直、微妙に違うかなという印象も受けますし、管パートの音色に関しても、もう少し木目が細やかであったような印象があり、そういったあたりはCDの音質的制約上、実演が万全に収録されるには至らずという感なきにしもあらずでした。

いずれにしても、このCDを聴いての私の感想というのは、以前ブログに掲載した、当日の実演を聴いての感想と概ねにおいて一致しますので、それをもって本CDに対する感想に代えたいと思います。ただ結局のところ、私の印象というのは当日の演奏会での実演のイメージから派生し、当然それに引き摺られているため、もし演奏会を聴きに行かなかったなら、本CDを聴いて何か全く異なる印象を感じるということも、十分あり得るだろうとは思います。

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