チョン・キョンファとラトル/ウィーン・フィルによるブラームスのヴァイオリン協奏曲


ブラームス ヴァイオリン協奏曲
&ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」
 チョン・キョンファ(vn) ラトル/ウィーン・フィル
 EMIクラシックス 2000年 5571652

5571652

昨日の続き、というよりは余談になりますが、一昨日サントリーホールで聴いたシュトゥットガルト放送響の来日公演における、韓国の天才ヴァイオリニスト、パク・ヘユンをソリストに立てたブラームスのヴァイオリン協奏曲の演奏に関しての感想を、昨日ブログに書きました。

その感想の中で、私がパク・ヘユンのブラームスを聴きながら、ふと先々月のミュンヘン・フィル来日公演で聴いた、ワディム・レーピンの同じ曲の演奏を思い出したことを書きましたが、そのとき実はもうひとつ、私の脳裏に去来した演奏がありました。

それは今から9年前の2001年、5月21日にオーチャード・ホールで行われた、チョン・ミュンフン率いるローマ聖チェチーリア管弦楽団の来日公演において演奏された、やはりブラームスのヴァイオリン協奏曲で、その独奏者というのが韓国の天才ヴァイオリニスト、チョン・キョンファでした。

2010-05-15

要するに同じ「韓国の天才ヴァイオリニスト」の演奏する「ブラームスのコンチェルト」、という括りでもって自然に当時の演奏が連想されたわけですが、そこでのチョン・キョンファの演奏というのが頗る強烈で、それが9年経った今でも昨日のことのように思い出されるのです。

そんな9年も前の実演を、なぜ今も鮮やかに覚えているのか、、それだけ演奏内容が素晴らしかったというのも理由の
一つですが、なにより彼女の舞台姿、つまりステージ上での演奏の所作が独特を極めたものだったからです。

何かが憑依したかのように辺りを払うような、まるで能楽の演者さながらの立居振舞と、そこから繰り出される、極度の集中力の凝集したようなボウイングの凄味、、、私がチョン・キョンファの実演を耳にしたのは、それが最初で最後ですが、なるほど凄いヴァイオリニストだなと聴いていて感嘆したのを覚えています。

以上、ちょっとした余談でした。チョン・キョンファ演奏のブラームスのコンチェルトには、ラトル/ウィーン・フィルという豪華なバックで録音したCDが出ていますが、ちょうどリリースの時期が、その9年前のコンサートと同じ時期だったこともあり、これは私にとって、あの実演を追体験させてくれる貴重なCDとなっています。

コメント

 
このセントチェリアの演奏はNHKで放送され、小生もその演奏振りに音楽に取り付かれた巫女のようだと思いました。最近出たある評論家(名前は失念)のバイオリン奏者を論じた本にこのときのキョンファの音程の悪さが指摘され、ブーイングがあったとありましたが、それは本当なのでしょうか。
初めまして。コメント有難うございます。

> このときのキョンファの音程の悪さが指摘され、
> ブーイングがあったとありましたが、それは本当
> なのでしょうか。

確かに機械的な意味での完成度としては、必ずしも完璧とは言い切れない演奏だったようにも記憶します。

そのあたりの捉え方は人それぞれと思いますが、あくまで私の印象においては、正確なだけで退屈な演奏の対極とも言うべき、およそキョンファ以外のなんぴとも為し得ないような、圧倒的なインスピレーションに満ちた演奏でした。

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