LFJ2010公演感想:エンゲラー/オーヴェルニュ室内管&シャマユ/ライプツィヒ四重奏団


・公演245(Cホール):
リスト 弦楽のための「夕べの鐘、守護天使への祈り」(「巡礼の年 第3年」より)
ショパン(ワルター編曲) ピアノ協奏曲第2番(ピアノ・弦楽合奏版)
 ブリジット・エンゲラー [ピアノ]
 アリ・ヴァン・ベーク [指揮]
 オーヴェルニュ室内管弦楽団

LFJ-245

LFJでブリジット・エンゲラーを聴くのは3年連続で、何だかエンゲラーを聴くとLFJに来たなと実感するような気がします。

ここではショパンのピアノ協奏曲第2番が演奏されましたが、直前に聴いたポゴレリッチの同じ曲の演奏とは対照的な、伸び伸びとして晴朗な趣きの演奏を披露し、同じ曲で、こうも雰囲気が変わるものかというくらいでした。同じ漱石でも「こころ」の後で「三四郎」を読んだ、みたいな気分です。

オーヴェルニュ室内管ですが、(LFJの常連なのに)実は初めて聴きました。フランスの古都クレルモン=フェランのオーケストラで、アリ・ヴァン・ベークが音楽監督とのことですが、聴いていて深い趣きのある美しい響きが素晴らしくて魅了させられました。ふっくらとして美しい響きを出す低弦、蠱惑的な艶めかしい響きを出す高弦、これらの織り成す絶妙のハーモニー。聴いていて何だか、前週サントリーで聴いたフィラデルフィア管の演奏に、唯一欠けていたものを思いがけず耳にした、みたいな気がしたのでした。2曲とも弦楽パート限定でしたので、出来れば管パートも聴きたかったところです。

ワルター編曲ですが、要するに本来の管のソロをヴァイオリン・ソロに置き換えたりとか、そんな感じでしたが、オリジナルのオーケストレーションの、ある種の贅肉が削がれて、ずいぶんスッキリとして精緻なハーモニーに聴こえました。やっぱりショパンのオーケストレーションって良くも悪くもアマチュア的なんだなと、あらためて思いました。

・公演236(B5ホール):
メンデルスゾーン 弦楽四重奏曲第6番
シューマン ピアノ五重奏曲
 ベルトラン・シャマユ [ピアノ]
 ライプツィヒ弦楽四重奏団

LFJ-236

ライプツィヒ四重奏団のメンデルスゾーンは、昨年リリースされたカルテット全集のCDを聴いて、いい演奏だなと思ったもので、この公演も楽しみでした。

そのメンデルスゾーンが、やはり素晴らしい演奏でした。この第6番のカルテットはメンデルスゾーンの残した全作品の中で、最も深みのある作品ではないかと思っていますが、メンデルスゾーンの死の直前の作品である、この作品に浮遊する独特な雰囲気が、聴いていてCD以上に、まざまざと伝わってくる、そんな感じでした。

かなり至近距離から聴くライプツィヒ四重奏団は、CDで聴くよりも遙かに熱のあるアンサンブル展開で、実演であるという以上の生々しいリアリティを感じました。CDで聴くと正攻法の手堅い運びという感じのカルテットなのに、実演だと印象がガラッと変わってくる、、いや、正攻法の手堅いのは、同じなんですが、そんなことよりむしろアンサンブルの発する強い熱気に打たれ、大いなる感銘を与えられました。後半のシューマンも(シャマユのピアノともども) 良かったですが、あのメンデルスゾーンの後だと、どうしたって印象が弱くなるのは否めなくも思えました。

そういえばB5ホールって今年はじめて入りましたが、想像以上に音響が良くてビックリしました。同じBでもB7ホールとはえらい違いで、壁を見ても明らかに音の反響を意識した造りになっていたりなど、この東京LFJのベストホールは、実はB5ホールかも知れないと思いました。

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