引き続き、ウィーン・フィルの自主プロデュースによるハイドンの交響曲集


ハイドン 交響曲集
 ヴェルザー=メスト/ウィーン・フィル(第98番)
 ブーレーズ/ウィーン・フィル(第104番)
 ウィーン・フィル自主制作 1996年・2009年ライヴ WPHLH2009123
WPHLH2009123

昨日に引き続き、ウィーン・フィルの自主プロデュースによるハイドンの交響曲集に関してですが、続いて3枚目の、ヴェルザー=メスト指揮による交響曲第98番およびブーレーズ指揮による第104番の収録されたCDを聴きました。

まずヴェルザー=メスト指揮による交響曲第98番ですが、これは2009年9月8日のルツェルン・コンツェルトザールでの録音とされるので、わずか半年前の演奏のようです。

聴いた印象としては、悪い演奏とは思わないんですが、やはりアーノンクールの後で聴くと、それなりにインパクトが弱いかなと、、ヴェルザー=メストのハイドンというよりは、率直にウィーン・フィルのハイドンという感じでしょうか。

基本的には正攻法の路線によるハイドンと言い切っても良いかと思います。オーソドックスな解釈であるがゆえに、少なくともアーノンクールよりは、ウィーン・フィルのアンサンブルの自発性を尊重した行き方のように思われますし、ある種の衝撃性にこそ乏しいものの、安心して音楽に浸れる心地良さがあって、そのあたりが好感的な演奏でした。

最後はブーレーズ指揮による交響曲第104番「ロンドン」で、これは1996年のムジークフェラインザールでのコンサートのライヴ録りのようです。

あのブーレーズがハイドンを振る?何かの間違いでは?なんて思ったくらいですが、聴いてみると意外や意外、すこぶる魅力的な演奏で思わず惹き込まれてしまいました。

強奏部ではアンサンブルが強力に鳴らされて、ことにクライマックスの迫力などは圧倒的ですが、それ以上に、一音一音のアーティキュレーションが緻密かつ明晰に構築されている点に驚かされますし、どんなに強くアンサンブルが鳴らされても、ハーモニーに混濁といったものがなく、澄んだ透明度を絶やさないあたり、聴いていて思わず唸ってしまうような、そんな演奏なのです。

このブーレーズのハイドンには、おそらく揺るぎなく知的な分析というのが土台にあって、客観を極めた視点からハイドンの音楽にアプローチし、純粋な音響的構築物として再構成したという趣きがあり、その意味においてアーノンクールと同様に指揮者の怜悧な目線の冴えた、新鮮なインプレッションのハイドンと感じられました。

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