アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクスによるバッハの教会カンタータ3曲の新録音盤


J.S.バッハ 教会カンタータ作品集
 アーノンクール/ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
 ドイツ・ハルモニア・ムンディ 2006・07年(新録音)、1974~84年(旧録音) 88697567942
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ニコラウス・アーノンクールが手兵のピリオドアンサンブルであるウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを指揮して新たに録音した、バッハ・カンタータ作品集のCDを聴きました。

これは先月リリースされたCDですが、バッハの教会カンタータ第29番、第61番、第140番の3曲が収録されています。いずれもウィーン、ムジークフェラインザールでのセッション録音のようです。

周知のように、かつてアーノンクールはレオンハルトと共同して、史上初となるバッハの教会カンタータ全曲の録音を成し遂げているのですが、その全集でアーノンクールが受け持ったカンタータの中には、今回録音した3曲も含まれていました。

したがって、3曲ともに同じ顔合わせでの再録音ということになるのですが、今回リリースされたCDには、御丁寧にも、その3曲の古い方の録音も一緒に、ボーナスディスクとして付属しているのです。どうぞ聴き比べてくださいと言わんばかりですが、これは相当の自信の現れというところでしょうか。新旧の両演奏の違いを、我々は確実に聴き手に実感させる、というような、、?

そのあたりの興味もあり、ひととおり耳を通してみました。もっとも、今日聴いたのは新録音の方のみです。旧録音の付属CDの方まで聴く時間が無かったからで、そちらは明日にでも改めて聴くことにします。その上で、どういう風に違うか、そのあたりの感想を書いてみたいと思います。

さて、最初に収録されているカンタータ第140番「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」は、三位一体の祝日後第27日曜日のためのカンタータで、30分近くを要する大規模なコラール・カンタータです。もっとも「三位一体の祝日後第27日曜日」というのが、暦のうえで10年に一回くらいの割合でしか巡ってこないため、当時ほとんど演奏される機会を得なかったとも言われます。メインテーマとして使われる「目覚めよと呼ぶ声あり」のコラール主題が実に深々とした情感を湛えていますし、あまりにも美しい第4曲のテノールのコラール主題は、後にシュープラーコラール第1番としてオルガン編曲されています。

続くカンタータ第61番「いざ来たれ、異邦人の救い主よ」は、待降節第1日目のためのカンタータです。これはバッハの全カンタータ中でも屈指の有名曲でしょう。この3曲の中では唯一、バッハのワイマール時代の作品なのですが、この新録音ではイ短調の原曲が、あえてロ短調に移調されて演奏されています。

これについては、ライナーノートの中で、アーノンクール自身がインタビューに答える形で移調の理由について説明しています。「古い録音ではイ短調だったのに、なぜ今回はロ短調で演奏したのか?」という問いに対し、それはバッハ後年のライプツィヒ時代での再演を想定したものであると答えているのですが、要するに、このカンタータは合唱パートがコールトーンという、ワイマール特有の高いキーを持つピッチで書かれているため、これを後年ライプツィヒで再演する際に、ライプツィヒの低いピッチ(いわゆるカンマートーン)を前提とし、かつワイマール時代と同じ音程での演奏を可能とするには、ロ短調に移調するほかなく、おそらくバッハもそうしたはずだと述べています。

もっとも、以上に書いたことは、あくまで私がライナーノートの英文を読んで要約した内容ですので、もしかしたら何か読み損なって不正確なことを書いている可能性もあります。そこは御注意ください。

最後のカンタータ第29番「われら汝に感謝す、神よ、われら感謝す」は、市参事会員交代式のためのカンタータで、祝祭的性格がかなり強い、華やかなカンタータです。ここではオルガンのオブリガードが非常に美しいのですが、特に第1曲に聴かれるオルガンのメロディが出色で、バッハの無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番の第1楽章のメロディを聴いていて彷彿とさせますね。

以上、前述のとおり感想の提示は今日はひかえます。古い録音の方もひと通り聴き、それを踏まえて改めて出します。

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