モルトコヴィチとN.ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管によるショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲集


今年の初頭に購入した「シャンドス30周年BOX」につき、これまで収録盤の感想記を順に18枚まで掲載しているのですが、続いてCD19を聴きました。

ANNI-19
ショスタコーヴィチ ヴァイオリン協奏曲第1番・第2番
 モルドコヴィチ(vn) ネーメ・ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団 1989年録音
 
リディア・モルトコヴィチのヴァイオリン・ソロ、ネーメ・ヤルヴィ/スコティッシュ・ナショナル管弦楽団の伴奏による、ショスタコーヴィッチの2曲のヴァイオリン・コンチェルトを収録したアルバムです。

モルトコヴィチのヴァイオリン・ソロは、特に第1コンチェルトにおいて、第1楽章の冒頭弱音導入からヴィブラートを強めにかけていたりなど、局面により表情がいくぶん情緒的に流れる傾向があるようですね。

この作品の演奏では、むしろハードタッチのシリアスな表情の方が、個人的には好みで、その最高峰に位置づけられる録音としては、コーガンとコンドラシン/モスクワ・フィルのメロディア録音(ヴェネツィア CDVE04241)が挙げられます。対して本ディスクのモルトコヴィチは総じて表情が甘口な嫌いがあるのが気になるところですが、情動が極限に高まるような楽節、例えば第1楽章の(8:37)からのくだりなどで聴かれる、情熱を叩きつけるようなボウイングの高揚力に関しては聴いていて率直に脱帽させられるものがあります。第2コンチェルトの方も同様で、不足感のないテクニックの切れともども、安心して聴き通せる感じの演奏です。

ヤルヴィ/スコティッシュの伴奏に関しては、例えば本ボックスのCD15でのプロコフィエフのアルバムと同様、ここでも軒並みアンサンブル高音パートの訴求力が際立ち、ここぞという時のトッティのパンチ力も含め、すこぶる充実したアンサンブル展開です。

難点は、高音パートの燦然たる響きに比して、低音域の楽器の実在感が相対的に埋もれがちになっている点でしょうか。例えば第1コンチェルト第3楽章の冒頭のホルン斉奏など、音色の立ち具合が抜群ですが、その後の(第1変奏の)チューバの音色などはかなり抑制がかっています。聴いていて、場面によっては重低音をもっと強力に押し出した方が楽想がより引き立つのではないかという印象も残りました。

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