フンメルのピアノ協奏曲集とミサ曲集(シャンドス30周年BOX:CD12&13)


「シャンドス30周年BOX」収録盤の感想記の続きです。今回はCD12とCD13を聴きました。

ANNI-12
フンメル ピアノ協奏曲第2番、第3番
 ハフ(pf) トムソン/イギリス室内管弦楽団
 1986年録音

フンメルのピアノ協奏曲全7曲の中でも比較的知名度の高い2曲を収録したディスクで、演奏はピアノ・ソロがスティーヴン・ハフ、オーケストラがブライデン・トムソン指揮のイギリス室内管弦楽団です。

このうちロ短調のピアノ協奏曲第3番はフンメルの代表作として名高い作品ですが、私はどちらかというとイ短調のピアノ協奏曲の方により惹かれました。

このイ短調のピアノ協奏曲第2番は、後年ショパンが偏愛し、ショパン自身のピアノ協奏曲の曲想の根源にもなったとされる曲ですが、確かに聴いていると、ショパンのピアノ協奏曲を連想させるパッセージやムードが随所に見受けられます。

それでいて、フンメルの師であるモーツァルトのピアノ協奏曲を思わせる雰囲気も、同時に纏っている点が面白く、ある時はモーツァルト、ある時はショパン、そんな雰囲気が独特ですね。

ピアノ・ソロ、オーケストラともに好演で、特にショパンを思わせるテンポ・ルバートが音楽の流れに良くフィットしていて、いい感じです。

ANNI-13
フンメル ミサ曲ニ長調Op.111、同変ロ長調Op.77、オッフェルトリウム「恵み深き乙女」
 ヒコックス/コレギウム・ムジクム90
 2001年録音

前記のCD12に続いてのフンメル作品集で、こちらは宗教曲を収録したアルバムです。

ハイドンやモーツァルトに師事し、ベートーヴェンと同時代に活躍した作曲家ながら、交響曲をついに一曲も残さなかったフンメル、そのメインフィールドはまずピアノ音楽、次いで宗教音楽ということになるようです。

その宗教音楽の分野においては、5曲のミサ曲を中心として数々の業績が残されていますが、特に本ディスク収録の2曲のミサ曲を聴く限り、どこかモーツァルトのレクイエムの残照を帯びたような透明感のある美しい楽想が印象的なものでした。

演奏は昨年11月に心臓発作により享年60歳で急逝したリチャード・ヒコックスの指揮で、本ボックスにおいてはCD5のディーリアスCD7のグレインジャーに続いて三度めの登場です。

CD5のディーリアス同様、このフンメルでも亡きヒコックスの演奏手腕の卓抜ぶりがよく発揮された名演奏だと思います。古楽器アンサンブルに拠りながら、古楽器風アプローチ特有の強烈感を押し出すというより、むしろこの一連のミサ曲の透明感を大切に音化されたような雰囲気があり、その緻密かつ有機的な合唱のハーモニーともども聴いていて魅了させられました。

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