ハーティのアイルランド交響曲&ホルストの惑星(シャンドス30周年BOX:CD10&11)


かなり間隔が開いてしまいましたが、「シャンドス30周年BOX」収録盤の感想記の続きです。今回はCD10とCD11を聴きました。

ANNI-10
ハーティ アイルランド交響曲、コメディ序曲
 トムソン/アルスター管弦楽団
 1980・83年録音

ハミルトン・ハーティの代表作である1904年作曲のアイルランド交響曲にコメディ序曲が併録されたアルバムです。

ここでのブライデン・トムソン/アルスター管の演奏は素晴らしく、ことにアイルランド交響曲は全曲を聴き終えて実に深々と充実した余韻の残るものでした。

第1楽章冒頭のホルンからして実に気持ちいい鳴りっぷりで、続く弦の第1テーマの清冽なメロディの流れといい、もうこの時点で演奏に強力に惹きつけられましたし、(2:39)からのクラリネットの第2テーマのメロディの得も言われぬ美しさ、そして展開部以降の雄大な起伏形成など、とにかくアンサンブルの響きが冴え渡っていて、聴いていて心洗われるような音楽の美彩がコーダまで充溢しています。

以降の楽章においても、このハーティの交響曲の、アイルランド民謡をベースとする親しみ易い旋律構成の魅力と、そこから導出されるアイルランドの雄大な自然を連想させる楽想のニュアンスとが、実に共感豊かに、そして大いなる管弦楽的雄弁性をもって表現されていて、聴いていてこの交響曲の傑作性をまざまざと感得させられる思いでした。

現状、このハーティのアイルランド交響曲は録音自体が少ないですが、このトムソン/アルスター管の録音は、おそらくこの作品の決定的名盤と言い切ってもいいのではないでしょうか。

ANNI-11
ホルスト 惑星
 ギブソン/ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管弦楽団
 1979年録音

シャンドスレーベル初のデジタル録音とされるものですが、音質的にはトッティでのソノリティがやや厚みに欠ける嫌いがあり、例えば上記トムソン/アルスター管のハーティなどよりは臨場感が少し落ちる印象も受けました。

演奏ですが、この曲としては至極オーソドックスなアプローチで、聴いていて何らかの新鮮味を喚起させられるような斬新なファクターは希薄としても、ギブソンの指揮は正攻法のスタイルからオーケストラを爽快に鳴らした切れ味鋭いもので、スコティッシュ・ナショナル管のアンサンブルの感度良いレスポンスも好感的です。

弱奏時のアンサンブルのきめ細やかさや音色の立ち具合が総じて秀逸なこともあり、印象的には火星・木星・天王星といった強奏主体の曲よりも水星・金星・土星・海王星といった弱音比率の高い曲の方に聴いていて魅了される部分が多いと感じました。

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