ドラティ/フィルハーモニア・フンガリカによるハイドンの交響曲「朝」「昼」「晩」


ハイドン 交響曲第6番「朝」、第7番「昼」、第8番「晩」
 ドラティ/フィルハーモニア・フンガリカ
 デッカ 1972年 4781221
4781221

先般購入したドラティ/フィルハーモニア・フンガリカのハイドン・シンフォニー全集ですが、ザロモン・セットの12曲に続いて、交響曲第6番から第8番の3部作を聴いてみました。

この3部作は周知のように、ハイドンが1761年にハンガリーの大貴族エステルハージ侯の宮廷音楽家に就任した直後に作曲したとされるもので、ハイドンの初期のシンフォニー群の中では抜群の知名度を有するものですが、これら3部作をハイドンが本当に「シンフォニー」として作曲したのかは疑問の余地がかなりあるようで、内容的にはコンチェルト・グロッソに近く、演奏に際しては木管パートを中心にかなり高度なソロ・テクニックが要求される作品のようです。

しかし、ここでのドラティとフィルハーモニア・フンガリカの演奏においては、おそらくこれら3部作を確信をもって「シンフォニー」として表現したような演奏となっていて、弦パートを中心に漲るハーモニーの厚みの豊かさといい、鮮やかな立体感といい、聴いていて実に気持のいい演奏です。木管の各ソロのフレージングが多少ボッテリした感じではあるとしても、ヴァイオリンやチェロは合奏・ソロを問わず素晴らしい鳴りっぷりで胸がすく思いがします。

このドラティ盤において相対的に不足気味なのは、これら3部作のコンチェルト・グロッソとしての醍醐味ということになるかと思いますが、そちらの醍醐味に関しては他のCDでも聴けますし、このドラティ盤での確信的なシンフォニー・スタイルの演奏の方が、むしろ現在では表現として貴重のような気がします。

ちなみに、これら3部作のコンチェルト・グロッソとしての醍醐味が良く伺われる録音としては以下のマリナー/アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズ盤を挙げたいと思います。

PHCP-9237
ハイドン 交響曲第6番「朝」、第7番「昼」、第8番「晩」
 マリナー/アカデミー室内管弦楽団
 フィリップス 1980年 PHCP-9237

モダン楽器の名手を揃えた室内オーケストラによる、各種木管ソロを含めた器楽的な表現力の冴えが楽しめる一枚で、シンフォニックなドラティ盤の演奏とはかなりスタイルが異なりますが、このスタイルの中では傾聴に値する名演奏だと思います。なお全曲ともリピートは提示部のみで、ドラティ盤で行われていた展開部反復は省略されています。

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