エルガー・ヴァイオリンとピアノのための作品集&グレインジャー管弦楽作品集(シャンドス30周年BOX:CD6&7)


シャンドス30周年BOX収録盤の感想記、今回はCD6と7です。

ANNI-06
エルガー ヴァイオリンとピアノのための作品集
 ケネディ(vn)、ペッティンガー(pf)
 1984年録音

収録曲は、
①愛の挨拶
②愛の言葉
③月光に
④ため息
⑤夕べの歌
⑥朝の歌
⑦6つのやさしい小品
⑧ヴァイオリン・ソナタ

ナイジェル・ケネディのシャンドスへのファースト・レコーディングとされるディスクです。ピアノ奏者はピーター・ペッティンガーですが、①のみチェロとの二重奏で、チェロ奏者はスティーヴン・イッサーリスです。

演奏ですが、⑧のヴァイオリン・ソナタが絶品と感じました。このソナタは私としては、五嶋みどりが1997年に録音したソニー盤(SICC339)がベストパフォーマンスではないかと思っていたところ、このケネディの演奏はその五嶋盤の演奏と同格か、それ以上とも思える表出力を湛えていて驚かされました。

第2楽章こそ、その突き抜けた美しさにおいて五嶋盤に一歩を譲る感があるとしても、第1楽章などは五嶋盤よりさらに情趣豊かで、なかんずく楽章後半から終盤にかけての直截な情熱味が素晴らしいですね。

他の小品作品(①~⑦)においても、84年当時のケネディの初々しいほどにストレートな弾きっぷりがエルガーの音楽の気品や機知や仄かな感傷味をケレン味なく表現していて、聴いていて心安らぐと同時に心満たされるような気持ちに誘われる、何ともすがすがしい快奏です。

ANNI-07
グレインジャー 管弦楽作品集
 ヒコックス/BBCフィル
 1996年録音

オーストラリアの作曲家パーシー・グレインジャーの管弦楽作品を収録したアルバムです。

収録曲は、
①モールバラ公爵のファンファーレ
②コロニアル・ソング
③イングリッシュ・ダンス
④シェパーズ・ヘイ
⑤3人の仲間がいた
⑥フィッシャーの水夫宿
⑦われら夢見し者たち
⑧収穫の讃歌
⑨楽しい鐘の音
⑩ウォーキング・テューン(吹奏楽版)
⑪組曲「要約すれば」
⑫緑の茂み
以上12曲。

いずれの作品も、いかにもグレインジャーらしい作風を感じさせる雰囲気というべきでしょうか、イギリス民謡を下敷きとした、陽気で屈託の無い音楽であって、親しみ易く、聴いていて心軽やかな気持ちになる曲ばかりです。

その作風ゆえに、ともするといかにも「軽い」音楽、という印象に流れがちですが、本ディスクのヒコックス/BBCフィルの演奏が、ムード的に流れず地にしっかりと足のついた、かなり本格的な感じのアンサンブル展開であるため、いわゆるポップス的なムードは希薄です。

グレインジャーというと、私としてはリンカーンシャーの花束、カントリー・ガーデン、デリー地方のアイルランド民謡というあたりが代表作だと思うのですが、本ディスクはそのいずれも収録されていません。どちらかというと秘曲集的な位置づけのアルバムのようですが、それだけに新鮮で、聴いていてグレインジャーの音楽独特の心地良さを改めて印象づけられました。

コメント

 

コメント

 
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

Powered by FC2 Blog
Copyright © クラシックCD感想メモ All Rights Reserved.