LFJ2009公演感想:ピエルロ/リチェルカール・コンソートによるバッハのミサ曲ト短調とマニフィカト


今日は最終日に聴いた公演345の感想ですが、その前に、公演343についても簡単に触れます。

・公演343(Cホール):
カンタータ「ただ愛する神の摂理にまかせ」BWV93
カンタータ「主イエスキリストよ、ただ汝にのみ」BWV33
 アンタイ/ル・コンセール・フランセ
 キャサリン・フーグ(ソプラノ)
 ダミアン・ギヨン(カウンターテナー)
 ハンス=イェルク・マンメル(テノール)
 マティアス・フィーヴェク(バス)

前にも書きましたとおり、これは2日目に聴いた公演244と同一内容のものです。とはいえ、席位置が2日目の最前列に対して上記のように異なっていたため、それに伴い演奏の印象も2日目とはやや相違しました。

この位置からだと、その距離ゆえに最前列で聴いたときの鮮烈感には及ばないものでしたが、それでもやはりこのオーケストラの音色は美しくて独特だなと、再認識させられるものでした。

・公演345(Cホール):
ミサ曲ト短調BWV235
マニフィカトBWV243
 ピエルロ/リチェルカール・コンソート
 マリア・ケオハネ(ソプラノ)
 サロメ・アレール(ソプラノ)
 カルロス・メナ(カウンターテナー)
 ハンス=イェルク・マンメル(テノール)
 ステファン・マクラウド(バス)

フィリップ・ピエルロ/リチェルカール・コンソートによるバッハのミサ曲ト短調とマニフィカトBWV243の公演です。

リチェルカール・コンソートは古楽大国ベルギーのアンサンブルで、1980年創設というからには古楽アンサンブルとしては老舗というところでしょうか。配布されたメンバー表をみると、フルート奏者にル・コンセール・フランセのマルク・アンタイがクレジットされていました。

アンサンブル展開は、ル・コンセール・フランセよりは色彩的でなく、BCJよりはストイックでなく、そのあたり中庸というか、バランスが巧くとれていたような感じでした。ただ逆に言うと、それゆえに突き抜けたインパクトに欠ける面もあったようですが、、

また、声楽合唱のパートに関しては、合唱団を使わず、独唱陣が合唱団を兼ねる、いわゆるOVPP(OneVoicePerPart)方式での演奏でした。

このOVPPはアンタイ/ル・コンセール・フランセのカンタータ公演でも取られていた方式ですが、それをト短調ミサやマニフィカトにまで取り入れるというあたりは、ピエルロのこの方式に対する入れ込み具合が伺われて興味深いものです。

とはいえ、正直このOVPPに関しては、いささか違和感も否めないところで、とくに前日、あのコルボのロ短調ミサを聴いているだけに、何となくボリューム不足で、ミサ曲というよりむしろ小型カンタータを聴いているような感覚に近かったと思います。

そのあたりの、ミサ曲としての重厚な雰囲気にいまひとつ欠ける点は聴いていて引っ掛かりましたが、独唱陣のアンサンブルはすこぶる精緻で、OVPPならではの透明感もあり、その澄み切ったハーモニーの織り成す独特の美しさには率直に傾聴させられました。

そして、このハーモニーの晴朗感は、トランペットとティンパニの加わる後半のマニフィカトにおいてもしっかり継承されていました。

全体的に、この公演は出来ればもう少し小型のホールで聴きたい気もしましたが(Cホールは音楽専用ホールとはいえ、天井が無駄に高いなど、音響性能としてはいまひとつですね)、ル・コンセール・フランセともBCJともまた一味違う、個性味豊かなバッハの古楽演奏を楽しめました。

コメント

 

コメント

 
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

Powered by FC2 Blog
Copyright © クラシックCD感想メモ All Rights Reserved.