LFJ2009公演感想:コルボ/ローザンヌ声楽・器楽アンサンブルによるバッハのロ短調ミサ


・公演216(Aホール):
ミサ曲ロ短調BWV232
 コルボ/ローザンヌ声楽・器楽アンサンブル
 シャルロット・ミュラー=ペリエ(ソプラノ)
 ヴァレリー・ボナール(アルト)
 ダニエル・ヨハンセン(テノール)
 クリスティアン・イムラー(バリトン)

コルボのロ短調ミサ、これはLFJ2日目最後の公演にして、私が最も楽しみにしていた公演です。

その理由は、同じ顔合わせで録音され今年の3月にリリースされた、同曲の新譜の演奏が素晴らしかったからで、それについては当ブログで以前書きました

対して本公演ですが、ソリスト4人のうち2人が上記録音とは違っていて、ソプラノは録音では谷村由美子でしたが公演ではシャルロット・ミュラー=ペリエ、同じくテノールもセバスチャン・ドロイからダニエル・ヨハンセンに代わっていました。

とはいえ、コルボ/ローザンヌ・アンサンブルの音楽造りに関しては録音と比べてもぶれはなく、聴き進むほどに音楽の懐の深さに実直に魅了されるような、あの録音での感興を生演奏で心ゆくまで堪能することができました。

こうして実演に接してみると、録音からでは伝わらないコルボの指揮の奥深さが伺われ、その点でも感銘深いものでした。

コルボはこのロ短調ミサ全曲を指揮する中で、立って指揮する場面、椅子に座って指揮する場面、指揮棒を持って指揮する場面、指揮棒を持たずに指揮する場面、というように4つの局面を楽曲ごとに使い分けていました。

立って指揮したのはコラールのようなアンサンブル全体を要する合唱曲で、対して座って指揮したのはアリアを中心とする独唱曲です。これには体力的な要因もあるような気がしますが、音楽のメリハリという点でも(視覚効果も含めて)一定の効果を伺わせるものでした。

指揮棒の使い分けですが、例えば第17曲の十字架斉唱のような精妙な弱音を基調とする楽曲では指揮棒を持たず、その後の第18曲(キリスト復活)となるや指揮棒をかざしてダイナミックに、という感じで、その音楽のコントラストたるや絶妙でした。

音響的には、Aホールというちょっと万全とは言い難い環境のため、教会的なソノリティの感触というより、むしろ屋外で聴くような感触に近いものでしたが、私の場合CDでの印象がオーバーラップしていたこともあり、あまりホール特性は気になりませんでした。

敢えて言うなら、公演時間でしょうか。公演終了の予定時刻は23時15分とされていましたが、その時刻はまだアニュス・デイに差し掛かったところでした。やはり5千人の大ホールゆえにタイムスケジュールの若干の遅れは避けられず、実際の終了時刻は23時30分。これだと、最後の方ではどうしても終電を気にしながらという感じになりますから、できればもう少し落ち着いて聴きたかったところです。演奏内容が素晴らしかっただけに尚更ですね。

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