LFJ2009公演感想:ベレゾフスキーとエンゲラーのソロによるバッハのピアノ協奏曲


・公演215(Aホール):
ピアノ協奏曲第1番BWV1052
ピアノ協奏曲第5番BWV1056
2台のピアノのための協奏曲第1番BWV1060
 ボリス・ベレゾフスキー(ピアノ)
 ブリジット・エンゲラー(ピアノ)
 カントロフ/シンフォニア・ヴァルソヴィア

モダン・ピアノとモダン・オーケストラによるバッハのクラヴィーア協奏曲3曲の公演です。CホールからAホールへ、そして古楽器からモダン楽器へ、ということでここで音楽の雰囲気もガラリと転換、そんな感じでした。

Aホール、何ともだだっ広いホールですが、幸い座席が上記のように前から2列目という好位置に恵まれ、ホール特性にあまり左右されず演奏を堪能することができました。

最初のピアノ協奏曲第1番は、ブリジット・エンゲラーのソロで弾かれました。エンゲラーというと、昨年のLFJで聴いたベートーヴェンのトリプル・コンチェルトの演奏が思い出されるところで、オケも同じくシンフォニア・ヴァルソヴィアでした(指揮はカスプシク)。共演者はチェロがクニャーゼフ、ヴァイオリンがマフチン。腕達者の豪華な共演にワクワクさせられました。

対して今回のバッハですが、エンゲラーのソロは一貫的に明朗な色感のタッチから鮮やかに浮かび上がるメロディ・ラインの情感に特徴を感じさせます。強弱の幅はおおむね抑制され、旋律取りが非常にクッキリしていて、バッハのメロディの美しさを印象づけられました。

続くピアノ協奏曲第5番は、今度はボリス・ベレゾフスキーのソロで弾かれました。ベレゾフスキーのフレージング展開はエンゲラーとは対照的に、強弱の幅を大きめに取り、神秘的な弱音の妙感ならびに強音の起伏力を明確に強調させた音楽造りとなっていました。このため、デュナーミクが弱音に掛かる局面においてはメロディラインが途切れそうになるくらいで、バッハというよりむしろショパン、そんな感じの演奏でした。

以上の2演においては、それぞれのピアノ奏者の個性味がかなり直截に発揮されていたため、同じバッハでもかなり対照的な表情が聴かれて興味深いものでしたが、敢えて軍配を上げるとすると、やはりベレゾフスキーでしょうか。エンゲラーのピアノは、好演としても聴いていて不意打ち的な刺激において弱みが感じられ、私としては、バッハであれほどのロマン派的な表情を創出せしめたベレゾフスキーの方により惹かれるものを感じました。

最後の2台ピアノのための協奏曲BWV1060は、もちろん両者の共演です。腕達者の豪華な共演に、聴いていて昨年のベートーヴェンのトリプル・コンチェルトでのワクワク感が蘇る思いでした。

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