バックスの交響曲第4番&ブーランジェの作品集(シャンドス30周年BOX:CD2&3)


昨日にひきつづきシャンドス30周年BOX収録盤の感想記、今日はCD2と3です。

ANNI-02
バックス 交響曲第4番、交響詩「ティンタジェル」
 トムソン/アルスター管弦楽団
 1983年録音

20世紀前半に活躍したイギリスの作曲家アーノルド・バックスの残した7曲の交響曲の中では、比較的知名度が高いのは第5番、次いでは第6番あたりになるでしょうか。少なくともこのディスクの第4番は、現状でのポピュラリティはかなり低めでしょう。

ここでのブライデン・トムソン/アルスター管の演奏は、全体に充実感の豊かなアンサンブル展開とストレートな語り口で音楽に相対し、真っ直ぐな演奏姿勢からこの作品のキャパシティが十分に突き詰められたような見事な演奏展開です。

ただ、作品自体の印象が率直に言って微妙です。1930年作曲のシンフォニーにしては、色々な意味でずいぶん楽天的だなという気がします。開放的で親しみ易い楽想にして華やかなオーケストレーションと、確かに聴き映えのする作品だと思いますが、緊張感がいまひとつ弱く、楽想上濃厚な聴き応えをもたらすような感触は概して希薄で、この年代のシンフォニーとしてみると、そのあたりにやや物足りなさがあるように思いました。

ANNI-03
リリー・ブーランジェの作品集
 トルトゥリエ/BBCフィル
 1999年録音

収録曲は①詩篇第24篇「地とそこに満ちるもの」②音楽的対話「ファウストとエレーヌ」③悲しき夕べに④春の朝に⑤詩篇第130篇「深き淵より」。

20世紀初頭に活躍し、24歳の若さで夭折したフランスの女流作曲家リリー・ブーランジェの代表的な作品群を集めたアルバムです。

有名なのは②のカンタータ「ファウストとエレーヌ」で、これは1913年に女性として初のローマ大賞受賞を勝ち取った記念碑的作品ですが、この時リリーは若干19歳という若さで、内容的にもゲーテの大作「ファウスト」を真っ向から扱った全30分の作品でありながら、原作の感銘にも渡り合うほどの起伏力と内的充実度に満ちた名作です。

ここでのトルトゥリエ/BBCフィルの演奏は素晴らしく、上記の②ではクライマックスたる25分過ぎからの高揚力の伸びが抜群ですし、③の全編に張り詰めるただならぬ緊迫といい、総じて感情移入度の高さが随所に伺われるアルバムで、聴いていてトルトゥリエのブーランジェ作品への深いシンパシーが伝わってくるような気がします。

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