パレー/デトロイト響によるフランクの交響曲とラフマニノフの交響曲第2番


フランク 交響曲&ラフマニノフ 交響曲第2番
 パレー/デトロイト交響楽団
 マーキュリー 1959年(フランク)、57年(ラフマニノフ) 434368-2
434368-2

昨日の掲載分を含め全5回をかけて、先月下旬リリースの「ポール・パレーの芸術」の一連のディスクを聴いての感想をひと通りアップしました。

このCD5点(全10枚)は、基本的に現在廃盤ないし未CD化の音源を発掘してCD化するというコンセプトに基づいたリリースのようで、実際私などもこれらのディスクにより初めて耳にした録音がかなり多くて新鮮な気持ちで一連の演奏に接することができ、内容的にも満足感の高いものでした。

ただ、この「ポール・パレーの芸術」全5点に含まれていない録音ももちろんあります。その中でもすこぶるつきの名演ではないかと思われる一枚が、このフランクとラフマニノフの交響曲を収めたマーキュリー盤です。

1996年再発のリビング・プレゼンス・シリーズの一枚で、購入してからもう10年以上経ちますが、何度聴いても色褪せない魅力がここにはあります。

ことにフランクの交響曲の演奏内容はまさに圧巻で、第1楽章序の弱奏起伏での張り詰めるようなアンサンブルの緊張感から既にただごとでなく、第1主題ff提示の常軌を逸したド迫力(5:05)、第2主題ff提示の眩いばかりの音彩の広がり(6:15)、そして展開部頂点(9:22)あたりからの激烈な猛加速による強烈な高潮感を経て、神々しいまでの雄渾をもって描き出される再現部冒頭(10:35)のカノン、どこを取ってもパレー/デトロイト響のベストモードと断定できる素晴らしさです。

第2楽章でもデトロイト響のアンサンブルは一貫的に味の濃い響きを絶やさず、パレーの流動感豊かな音楽の運びは聴いていてもたれることがなく、その弦や木管の柔らかく優美な感触が驚異的な高音質に乗って耳を潤し、聴いていてフランクの音楽の美しさを否応なく実感させられます。

終楽章においても、冒頭主題を奏でるチェロのふっくらとした感触がフランスのオーケストラのようなエレガンシーを湛えていたり、重厚というより濃密、ひいてはドイツ的スタイルというよりフランス的スタイルに則した特徴感がかなり明確に打ち出されています。そして、このスタイルに限るなら、同曲の演奏でこのパレー盤以上のものは他にちょっと無いのではないかと、かつて本ディスクを初めて聴いた時に思ったものですが、今回あらためて聴き直してみても、やはりそんな気がします。

例えば同じようなスタイルで、録音年も近いモントゥー/シカゴ響のRCA盤(BVCC-37445)なども、並の演奏ではないですが、それと比べてもこのパレー/デトロイト響の方が一枚上手という感じがします。

ラフマニノフの2番の方も音質・アンサンブルの充実感、ともに前記フランクと同格で、演奏自体は立派です。第1楽章(5:17)からの第1テーマなど、粘ったテンポで情緒たっぷりに奏され、推進的なフランクとはまた違った、ロマンティック・スタイルでの美演ですが、惜しむらくはカット版が使用されている点です。

例えば第2楽章は7分に満たないタイムですが、テンポはむしろ遅めで、(5:24)からコーダまでが大きくカットされているためにこのタイムになります。

他楽章も同様で、いずれも当時の慣習に従ったものですが、いわゆる「完全全曲版」での録音が普通となった今日では、聴いていてそれなりに違和感も否めないところで、名演だけに残念ですね。

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