「ポール・パレーの芸術」第4巻<20世紀フランス作品集>


「ポール・パレーの芸術」第4巻<20世紀フランス作品集>
 パレー/デトロイト交響楽団
 マーキュリー(タワーレコード) 1953~62年 PROA-293/4

PROA-2934

先月リリースされた「ポール・パレーの芸術」シリーズの第4巻です。「20世紀フランス作品集」のタイトルの通り、収録曲はパレーの自作を含むフランス作曲家の20世紀作品で占められています。

収録曲は、
①パレー ミサ曲「ジャンヌ・ダルク没後500年を記念して」
②フローラン・シュミット バレエ「サロメの悲劇」
③イベール 交響組曲「寄港地」
④バロー ある影への捧げ物
⑤ルーセル 組曲ヘ調
⑥ルーセル バレエ「くもの饗宴」
このうち⑥のみモノラル、他はステレオ録音です。

①ですが、これはパレーが1931年のジャンヌ・ダルク没後500年記念式典のために作曲したミサ曲の自作自演の録音です。作品自体の印象としては、作曲年代を考えると相当に保守的な作風で、前衛性ないし革新性などの要素をここに見出すのはかなり困難だと思われますが、典礼音楽としてはすこぶる本格的な構えの作品で、聴いていて心洗われるような厳かな祈りに満たされた、美しいミサです。パレー/デトロイト響の演奏自体も気持ちの乗った名演と感じられ、本ディスクのアニュス・デイの後に収録されている、パレーがこのミサの録音後にオーケストラのメンバーに発した謝辞の言葉からも、パレー自身この録音の出来具合に大変満足していたことが伺われます。

②のフローラン・シュミット「サロメの悲劇」ですが、決して凡演ではないと思いますが、パレーとしてはどうもいまひとつ、という感じも残ります。この曲は、昨年たまたま中古購入した、マルティノン/フランス国立放送局管(EMIクラシックス 1972年)の演奏が凄かったのですが、その印象からすると、このパレーの演奏は表情の強烈感がちょっと落ちるようです。

③のイベール「寄港地」はあまりに有名な録音です。演奏自体としても本ディスク中ベストでしょう。ちなみに先ほど触れたマルティノン/フランス国立放送局管の「サロメの悲劇」には、このイベールの「寄港地」も併録されていますが、この曲に関してはパレー盤の方が音楽の精彩が断然優っていると思います。

④ですが、これはフランスの作曲家アンリ・バローが、第2次大戦で戦死した作曲家モーリス・ジョーベールを悼んで1942年に作曲した作品です。わずか10分ほどの小曲ですが、これは名演ですね。(4:51)あたりからの高潮感が凄まじく、(5:30)からの激烈なクライマックスなど、この曲の悲劇的な雰囲気をほぼ完全に音化し切っているかのようで、魅了させられます。

⑤と⑥のルーセルは、パレー/デトロイト響のアンサンブル持ち前の、フランス的ともいうべきエスプリやエレガンシーの香りの生きた、すこぶる味のある演奏です。パレーの残したルーセルの録音はこの2曲だけで、貴重ですが、モノラルの⑥は残念ながら音質的にやや遜色する面が否めないので、音質も含めたパレー/デトロイト響のルーセルの名演としては、⑤のへ調組曲ということになると思います。

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