「ポール・パレーの芸術」第3巻(ドヴォルザーク、シベリウス、R=コルサコフ)


「ポール・パレーの芸術」第3巻
 パレー/デトロイト交響楽団
 マーキュリー(タワーレコード) 1953~60年 PROA-291/2
PROA-2912

タワーレコード復刻の「ポール・パレーの芸術」シリーズの第3巻です。ここでは主にドイツ系・フランス系作曲家以外の作品が収録されています。

収録曲は①ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界より」②シベリウス 交響曲第2番③リムスキー=コルサコフ 交響曲第2番「アンタール」④同 序曲「ロシアの復活祭」⑤同 スペイン奇想曲⑥リスト メフィスト・ワルツ、このうち③~⑤のリムスキー=コルサコフがモノラルで、他はステレオです。

①のドヴォルザーク「新世界より」と②のシベリウスの2番はともに素晴らしい演奏と感じます。パレー/デトロイト響のベスト・モードに近いと思われるアンサンブル・コンディションから聴いていて打ちのめされんばかりの迫力を纏った音響展開が繰り出されていて圧倒されます。

ことに①のドヴォルザークは推進力が抜群で、両端楽章における一気呵成的な音流の迫力も凄いものですが、これだけの高速テンポなのに上滑り感のない緊密なアンサンブル展開が、音楽に強い説得力と劇的な表出力を付帯させている点においても、パレーの非凡性が端的に顕現した演奏であるように思います。

②のシベリウスは①のドヴォルザークほどには推進力を強調したフォームではありませんが、アンサンブルの内的充実度はほぼ互角で、金管パートがとにかく絶好調であるのに加えて、例えば第1楽章(4:57)近辺の弦のボウイングの強烈感など、要所におけるキリッとした音楽の訴求力もすこぶるつきです。このシベリウスは①ともども、まさにパレー/デトロイト響会心の名演という感じがしますし、音質的にも年代を考えると驚異的な水準です。

③~⑤のリムスキー=コルサコフは、1953年のモノラル録音で、本ディスクが世界初CD化とされる演奏です。ただ、感銘としては①や②と比べていまひとつというところで、やはり音質がひとまわり落ちるのが響いているようです。モノラルにしては左右の広がりを感じさせるものですが、ダイナミックレンジや厚みという点では①や②から続けて聴くと明らかに落ちますし、アンサンブル自体の充実感としても①や②ほどの水準には及ばないように思われます。今日あまり録音されないリムスキー=コルサコフ「アンタール」のCDとしては傾聴に値する演奏内容だと思いますが、音質も含めて、パレー/デトロイト響のベスト・モードから計ると物足りなさも残るというのが率直な感想です。

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