イル・ジャルディーノ・アルモニコによるヘンデルの合奏協奏曲(作品6)全曲


ヘンデル 合奏協奏曲(作品6)全曲 
 アントニーニ/イル・ジャルディーノ・アルモニコ
 オワゾリール 2008年 4780319
4780319
2009年のヘンデル没後250年にちなんだ形でリリースされた、イル・ジャルディーノ・アルモニコの新譜です。CD3枚組でのリリースですが、都内の量販店では3千円を切る低価格で販売されていました。

ひと通り聴いた印象としては、全12曲とも程度の差こそあれ、概ね先鋭なリズムの強調されたビート感の強さと、それに導出される音楽の強い躍動味に異彩のある演奏で、アンサンブルにおけるメリハリの効いた低域パートの押し出しの強さを起点に展開されるその強力な音楽の躍動感には、聴いていて理屈抜きにウキウキしてくるような独特の愉悦味があります。

フレージングに関してもまるでロック演奏のような趣きさえ感じられ、こういうある種の型破りなインパクトという点では、イル・ジャルディーノ・アルモニコの代名詞ともいうべき、以下のヴィヴァルディ「四季」の演奏にも一脈通ずるところがあるようです。
WPCS-6471
ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集「四季」
 イル・ジャルディーノ・アルモニコ
 テルデック 1993年 WPCS-6471

もっとも、今回のヘンデルのアルバムは、上記の「四季」ほどには大胆に踏み外してはいない感じで、テンポ的にオーソドックスなこともあり、かなり過激ながらも、彼らの本領からするとやや抑制が効いているような気もします。

ところで、イル・ジャルディーノ・アルモニコにはバッハのブランデンブルク協奏曲集の録音もあり、こちらも上記の「四季」に劣らぬ過激度を有する演奏として知られています。
WPCS-57878
J.S.バッハ ブランデンブルク協奏曲全曲
 イル・ジャルディーノ・アルモニコ
 テルデック 1996・97年 WPCS-5787/8

このバッハは、イル・ジャルディーノ・アルモニコならではの感覚的な愉悦味に満ちた演奏ですが、そのためにバッハ本来のドイツ音楽的な構築感が相当に希薄化されてしまっていて、この曲集の持つ厳粛な趣きが骨抜きになってしまった感じもします。純粋に演奏表現の新鮮さ、印象感の強さという点ではかなりのインパクトの強さを帯びた面白い演奏だと思いますが、副作用も強いようです。

しかし今回のヘンデルの演奏では、上のバッハ・ブランデンブルク協奏曲集よりは副作用が抑えられているような感じがあり、聴いていてアンサンブルの過激ぶりに付随して、ヘンデルの音楽としての醍醐味もまた同時に伝わってくるような感覚があります。バッハよりはイタリアの様式に依っているヘンデルの音楽の特性によるのかも知れないですが、イル・ジャルディーノ・アルモニコのアンサンブルも、さすがに往年の尖がった感触が後退して、多少表情が丸くなったようなところがあるかもしれないですね。

コメント

 
イルジャルディーノのコンマス、エンリコ・オノフリが12月に紀尾井ホールで四季を全曲演奏するとの情報を得ました。。。
既にご存じかもしれませんが...嬉しくなってコメントさせて頂きました!詳しくファンサイトで見る事が出来るようです。イルジャルディーノは久しく来日しませんが、私はこれで年末が楽しみになってきました。
☆ttp://homepage3.nifty.com/enricoonofri/
> イルジャルディーノのコンマス、エンリコ・オノフリが
> 12月に紀尾井ホールで四季を全曲演奏するとの情報を得ました。

どうも、情報ありがとうございます。

> 既にご存じかもしれませんが...嬉しくなってコメントさせて頂きました!
> 詳しくファンサイトで見る事が出来るようです。

私もその公演については、先日CLASSICAさんの記事を読んで知りました。
http://www.classicajapan.com/wn/2009/09/110100.html

> イルジャルディーノは久しく来日しませんが、
> 私はこれで年末が楽しみになってきました。

私も行ければ行きたいですが、平日公演なので紀尾井ホールは
ちょっとキツいかもしれない、、、

# 勤務先に近いサントリーホールの小ホール(ブルーローズ)だと
# 問題ないのですが、、

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