藤原歌劇団によるポンキエッリ「ラ・ジョコンダ」公演(1)


2009-1-31

昨日のブログに書きましたように、今日は東京文化会館で、藤原歌劇団によるポンキエッリ「ラ・ジョコンダ」のオペラ上演を観てきました。

東京文化会館でオペラを観るのは久しぶりで、昨年2月の二期会によるワーグナー「ワルキューレ」を観て以来約1年ぶりになります。

「ラ・ジョコンダ」は、実演を観るのは今日が初めてですが、日本での上演頻度自体かなり低めで、本上演のプログラムによると、2000年のソフィア歌劇場来日公演まで日本では一度も舞台上演されたことのなかった作品とのことです。

ちなみにこのオペラ作品そのものに対しての私の印象を述べると、第1幕があまりパッとしないのに対し、第2幕以降はシナリオの流れや音楽の精彩においてかなり魅力的な部分が少なくなく、特に最後の第4幕は短いながらもかなりの密度感のある充実した内容だと思います。

とはいえ、しばしば言われるような、この「ジョコンダ」がヴェルディの「オテロ」の姉妹作という評価に関してはかなり疑問ですね。確かに両オペラとも台本作家が同じボイートで、作品の構成もかなり似ていますが、でも何か違うなというのが率直な印象です。例えば「ジョコンダ」での悪役バルナバは、「オテロ」のイアーゴのような狂気を孕んだ凄味のある悪役というのでなくて、どうも絵に書いたような悪役というか、ステレオタイプな感じが強く、役柄としての強烈なリアリティがいまひとつで、少なくともそのあたりは「オテロ」よりも大きく遜色する点ではないかと思います。

そういうわけで、私としてはこのオペラは、ヴェルディの最高傑作「オテロ」との関係で捉えるような作品ではなく、むしろイタリアのグランドオペラの傑作として捉える方がしっくりくるような気がします。とくに幕切れあたりの雰囲気にはヴェリズモに片足を踏み入れたような強烈さがあるので、グランドオペラ的な華やかさとヴェリズモ的なリアリティとが共存した音楽の振幅の強さにオペラ作品としての独特の面白味があり、今日の上演を観てそういう印象を強く感じました。

今日の上演の細かい感想についてはまた後日あらためて書きますが、総括的な感想としては、本作品上演に際しての藤原歌劇団のチャレンジ精神が旺盛な演奏意欲として端的に表れたような名舞台で、観ていて新鮮な感動に誘われるような素晴らしい公演内容でした。

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