「バイロイトの第9」その5:オルフェオ盤(1)


ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」
 フルトヴェングラー/バイロイト祝祭管弦楽団
 オルフェオ 1951年ライブ C754081B
C754081B
最後のオルフェオ盤ですが、最後まで書き切れませんでしたので、今日・明日の2回に分けます。

このオルフェオ盤は、いわゆる「バイロイトの第9」として知られる演奏を、バイエルン放送局が実況中継した際に使用されたとされるテープから復刻したディスクです。

これまでのEMI音源ベースのバイロイト盤はEMIによる恣意的な編集の形跡が随所に認められていたため、このバイエルン放送局音源ベースの演奏こそが「正真正銘のバイロイト盤」であるとして大きな話題となったことは周知の通りです。

ですが、このバイエルン放送局音源の演奏が本当に本番のものかどうかは、各方面から疑問が提起されているところで、これは実は本番前日のゲネプロ演奏のものではないか、という説も、かなり有力です。

もちろん真偽のほどは分かりませんが、私の印象を率直に言うと、このオルフェオ盤に収録されている「バイロイトの第9」は、どうもゲネプロ演奏のような気がします。その理由は、演奏から受ける感銘の度合いが、これまでのEMI音源のものを下回るような感じがするからです。

とは言うものの、実はそこには音質の問題が絡んできているため、演奏自体の純粋な感銘としてはどちらが上かという判断は、実際かなり微妙なところです。

どういうことかというと、このオルフェオ盤(輸入盤の方です)のリリース時期は2007年の暮れだったんですが、ちょうどその直前に、間の悪いことに、昨日取り上げたバイロイト第9のミソス盤がリリースされてしまいました。これはもちろんEMI音源のものですが、そのミソス盤が超高音質であったことは、昨日書いたとおりです。

したがって、そのミソス盤を耳にした後では、このオルフェオ盤の音質はいかにも分が悪い印象が否めませんでした。

そこで音質のハンディはとりあえず度外視し、純粋に演奏自体の感銘度として双方の演奏を楽章別に比較してみますと、私の印象だと第1・第2楽章はほぼ同等、第3楽章はオルフェオ盤の演奏がわずかに上、終楽章はこれまでのEMI音源ベースの演奏の方がかなり上、という按配で、総合的には既出のEMI音源盤に基づく演奏の方が感銘度において勝るように感じました。

そのあたりの具体的な違いに関する話も書きたかったんですが、間に合わなかったので明日に回します。

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