ドライヴァーとブラビンズ/BBCスコティッシュ響によるボーウェンのピアノ協奏曲集


ボーウェン ピアノ協奏曲第3番・第4番
 ドライヴァー(pf)ブラビンズ/BBCスコティッシュ交響楽団
 ハイペリオン 2007年 CDA67659

ハイペリオンの看板シリーズにもなっている「ロマンティック・ピアノ・コンチェルト・シリーズ」の最新盤で、イギリスの作曲家ヨーク・ボーウェンのピアノ・コンチェルト作品が2曲収録されたディスクがリリースされました。このうちピアノ協奏曲第4番は本CDが世界初録音とのことです。

ちなみにヨーク・ボーウェンはピアニストとしても名声を馳せていて、1925年にスタンリー・チャップル指揮エオリアン管とベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番の世界初録音を成し遂げています。

そのボーウェンのピアノ協奏曲第3番は1907年作曲、第4番は1929年作曲の作品ですが、一聴して顕著なのはラフマニノフとの音楽の関連性で、そのピアノ協奏曲と雰囲気がかなり似ています。

第3番は「幻想曲」と題された単一楽章の作品で、規模も小さく、全体で18分に満たないのに対し、第4番は3楽章の本格的なコンチェルトで、演奏時間も42分。両曲に共通するのは、音楽がとにかくロマンティクな点で、その点においては、確かにラフマニノフ作品を継承した特徴が強く出ていて、「イギリスのラフマニノフ」という異名もうなずけます。

とりわけ第4協奏曲の第1楽章冒頭の出だしは、ラフマニノフのかのピアノ協奏曲第2番冒頭にそっくり。管弦楽弱奏を背景にピアノが鐘の音のような和音を静かに刻んで始まり、(2:15)からのチェロの主題もこの上もなくロマンティックなもので、やはりラフマニノフ的です。

両曲ともに、作曲年代を考えるといわゆる前衛精神が決定的に欠如している点は明らかで、おそらくそのあたりが評価の分かれ目になっている感がありますが、音楽自体の魅力としてはほぼラフマニノフに比肩するものがあり、実に甘美な楽想に満ちたコンチェルトです。

ピアノ・ソロを務めているダニー・ドライヴァーは初めて聞くピアニストで、このハイペリオンのRPCシリーズにもこれが初登場。作品の要求する高度なテクニックを完璧にクリアする、腕の立つ若手ピアニスト、という印象です。このRPCシリーズは、これまでアムラン、ドノホー、オズボーンなどの一級の名ピアニストが顔を揃えていますが、今回登場のドライヴァーも彼らに比肩するほどの逸材かもしれないですね。

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