アレクサンドル・タローのジャズ・アルバム 「屋根の上の牛」


「屋根の上の牛(Le Boeuf sur le Toit)」
 タロー(pf)、ブラレイ(pf)、デセイ(sop)他
 Virgin 2012年 4407372
4407372

アレクサンドル・タローのピアノ演奏を中心とするジャズ・アルバム「屋根の上の牛」。英Virginの新譜。2012年パリでのセッション録音。

アレクサンドル・タローは前回リリースのバッハのピアノ協奏曲集に惹かれるものを感じたので気になっていたが、そのバッハに続いて今度は何とジャズ系のアルバムを打ち出してきたので興味津々で入手した。

本CDには1920年代のパリで名を馳せた伝説的キャバレー「屋根の上の牛(Le Boeuf sur le Toit)」にゆかりのジャズ音楽を中心に計26曲が収録されており、その曲目を見るとジャズ系ではジャン・ヴィエネル、クレマン・ドゥーセ、ポピュラー系ではウォルター・ドナルドソン、コール・ポーター、クラシック系ではミヨー、ラヴェル、ガーシュウィンといった作曲家が取り上げられている。

前述のようにアルバムのタイトル「屋根の上の牛」というのはフランスの作曲家ミヨーの有名なバレエ音楽ではなく、そのミヨー作品から名前が採られたパリの有名なキャバレーの名称を指している。ライナーノートによると、タローはジャズの演奏家だった祖父の影響で少年時代にジャズ音楽に傾倒し、このキャバレーで演奏されていたヴィエネル&ドゥーセの録音に夢中になったようで、そういう自身の体験が本CDのコンセプトになっているということらしい。

そういうわけでジャズ色の強いアルバムだが、意外とクラシック色も強く打ち出されている。というのも、このCDに4曲ほど収録されている4手連弾曲でタローと連弾しているのはフランク・ブラレイ、またヴィエネル作曲のブルースを歌っているのはナタリー・デセイだし、また演目的にも、前述の3人のクラシック系作曲家の作品以外に、ショパン、リスト、ワーグナーの作品をドゥーセが自由に編曲したピアノ曲が含まれていたりするからで、かなり意識的にジャズ&クラシックのクロスオーバーの試みが打ち出されているような感がある。

周知のようにタローはバロック系作品をモダン・ピアノで魅力的に演奏するピアニストであり、このアルバムでも1曲を除いてモダン・ピアノが使われている。「セントルイス・ブルース」のみ例外で、これは本来ウィリアム・クリストファー・ハンディ作曲のジャズのスタンダード・ナンバーだが、それを後年ジャン・ヴィエネルがハープシコード用に編曲しているため、それに従いプレイエルのハープシコードにより演奏されている。

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