スティーヴン・イッサーリスのリサイタル・アルバム「見出された場所」


「見出された場所(LIEUX RETROUVES)」
 イッサーリス(vc)
 ハイペリオン 2011年 CDA67948
CDA67948

スティーヴン・イッサーリスのチェロ演奏による「見出された場所」と題されたリサイタル・アルバム。英ハイペリオンの新譜。2011年12月モンマス、ワイアストン・エステイト・コンサートホールにおけるセッション録音。

以下の10曲が収録されている。

①リスト 忘れられたロマンス
②リスト ノンネンヴェルト島の僧房
③リスト 悲しみのゴンドラ
④ヤナーチェク おとぎ話
⑤フォーレ チェロ・ソナタ第2番
⑥クルターク スティーヴンのために:ポーリン・マラの追憶に
⑦クルターク ピリンスキー・ヤーノシュ ジェラール・ド・ネルヴァル
⑧クルターク 影
⑨クルターク ジェルジー・ロー・イン・メモリアム
⑩アデス 見出された場所

①~⑤および⑩はトーマス・アデスのピアノ演奏とのデュオとなっている(⑥~⑨は無伴奏チェロ作品)。

昨年のN響定期で聴いたウォルトンのチェロ協奏曲が素晴らしかったイッサーリスの新譜ということで入手した。周知のようにイッサーリスは「ミスター・ガット弦」の異名で知られるイギリスの名チェリストであり、その広範なレパートリーは現代曲をもカバーするものとなっているが、本CDの演目もそのようなイッサーリスのスタイルを象徴するようなものとなっている。

本CDのライナーノートはイッサーリス自身により執筆されている。いわく個々の収録曲は一見すると相互に関連が薄いように思われるかも知れないが実は①~⑨は⑩を導くために配置されており、このアルバムのタイトルとなっているアデス「見出された場所」こそが本CDのプログラムの中核であるとのこと。

トーマス・アデスは「ブリテンの再来」とも評される現代イギリスの作曲家であり、この「見出された場所」は2009年に作曲されイッサーリスにより世界初演が行われている。そのアデスが自身の作曲の上で中心的ポジションにある作曲家と規定しているのがリスト、ヤナーチェク、フォーレ、クルタークであり、それらの作品を経由して「見出された場所」に聴き手が到達するようにというコンセプトに基づき本アルバムの演目が編まれている、ということのようだ。

⑥の「スティーヴンのために:ポーリン・マラの追憶に」はクルタークが2010年にイッサーリスの最愛の妻ポーリンの死を悼んで作曲した作品であり、この作品を自分が弾く際には私的な感情にどうしても捉われてしまうが、この作品の持つ深いフィーリングは紛れもなく普遍的なものであるとイッサーリスは述べている。

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