ディクソン/ヘッセン放送交響楽団によるベートーヴェンの第9


ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱」
 ディクソン/ヘッセン放送交響楽団
 Audite 1962年ライヴ AU95620
AU95620

ディーン・ディクソン指揮ヘッセン放送交響楽団の演奏によるベートーヴェン交響曲第9番「合唱」。独Auditeの新譜。1962年フランクフルト・アム・マイン、ヘッセン放送ゼンデザールでのライヴ録音。終楽章の歌手はフリッツ・ヴンダーリヒ(テノール)、テオ・アダム(バス・バリトン)、マルガ・ヘフゲン(アルト)、矢野 滋(ソプラノ)。
 
貴重な歴史的音源の発掘に定評のあるAuditeだが正直このCDに関しては最初に見たとき何だろうと思ってしまった。だいたいベートーヴェンの第9のCDのジャケット写真がテノール歌手というのが異様。無名に近い指揮者とドイツのローカルオケという顔合わせだが、歌唱陣はヴンダーリヒ、アダム、ヘフゲンという豪華な顔ぶれ。その錚々たる歌唱陣に混ざっているのは日本人のソプラノ歌手、、、?

ライナーノートの情報によるとディーン・ディクソンという指揮者はアフリカ系アメリカ人の黒人指揮者で、1915年ニューヨークに生まれジュリアード音楽院での研鑽を経てニューヨーク・フィル、ボストン響、フィラデルフィア管などに客演指揮として登場するも、黒人に対する差別意識の根強い当時のアメリカにおいては恒久的なポストを手にすることが困難だったため、ヨーロッパへ渡り、1953年にエーテボリ交響楽団の音楽監督に就任、さらに1961年からはヘッセン放送響のチーフ・コンダクターに就任するという経歴の持ち主とされている。

ソプラノの矢野滋(しげ)に関してはライナーノートにも情報が少なく、カリフォルニアでロッテ・レーマンに師事した経歴を持つ若手の日本人ソプラノ歌手とあるのみだが、これだけの顔ぶれの歌唱陣と肩を並べていることから、おそらく当時のヨーロッパでは相応の実力と知名度の持ち主だったのだろう。

正直もの珍しさから入手したCDだったが、上記のように肌の色のハンディキャップを跳ね返しヨーロッパでキャリアを築いた黒人指揮者の指揮する第9とはどのような演奏か、がぜん興味が湧いた。知られざる日本人ソプラノの歌唱ともども、じっくりと耳を傾けてみたい。

コメント

 

コメント

 
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

Powered by FC2 Blog
Copyright © クラシックCD感想メモ All Rights Reserved.