スクロヴァチェフスキー/ミネソタ管によるブルックナー交響曲第9番
ブルックナー 交響曲第9番
スクロヴァチェフスキー/ミネソタ管弦楽団
レファレンス 1996年 RR81
このブルックナーは、ちょっと期待はずれでした。
スクロヴァチェフスキーの指揮自体は、至極見事なもので、その精緻なアンサンブル運用は音楽の輪郭を鮮やかに描きながらも、どんな強奏時においてもハーモニーが澄んだ美しさを保持し、透明感抜群。それでいて響きの力感も高く、迫力的にも十分なものがあり、ミネソタ管のアンサンブルも、ことに金管パートを中心に呆れるほど上手い。
それにも関わらず、演奏から受ける感銘の度合いという点では、意外に振るわないというのが率直なところです。その理由は、ひとつには音質、ひとつにはオーケストラ自体の音色の特性にあるように思われます。
音質ですが、オーディオ・ファンに人気の高いレーベルだけあって、確かに高音質といえば高音質。音響の抜けの良さといい、解像度の高さといい、今日のSACD仕様にも比肩するようなレベルで、その点は凄いんですが、そういう音質面の特性がいささか強調され過ぎているのか、この音質には聴いていてどうも違和感を感じます。音響自体が人工的に過ぎるというか、まず残響感が極端に抑えられているうえ、音響の分離も良過ぎて音色の相互の溶け合いの妙味がほとんど聴かれない、かなりドライなソノリティという印象を受け、率直にいうと深みに欠けます。
オーケストラの音色の特性という点でも同様にいまひとつ深みを感じにくいですね。技術的には上手いし、とにかく良く鳴りますが、それが時にあっけらかんと響き、音楽を軽からしめている感じがします。そもそもアメリカのオーケストラによるブルックナーの録音には、聴いていて良いと思うものが非常に少ないので、このスクロヴァチェフスキー盤には期待したんですが、やはり、、というところです。
<<クーン/マルキジャーナ・フィルによるマーラー交響曲第9番 | HOME | クライツベルク/オランダ・フィルによるドヴォルザークの交響曲第8番と交響詩集>>
![]()
![]()
![]()
| HOME |


