クライツベルク/オランダ・フィルによるドヴォルザークの交響曲第8番と交響詩集


ドヴォルザーク 交響曲第8番、交響詩「野ばと」、交響詩「真昼の魔女」
 クライツベルク/オランダ・フィルハーモニー管弦楽団
 ペンタトーン・クラシックス 2006年 PTC5186065

ヤコフ・クライツベルクによるドヴォルザークというと思い出されるのが、2002年のチェコ・フィル来日公演の時にすみだトリフォニーで聴いた「新世界」です。老舗チェコ・フィルを相手にしながら気後れも気負いも感じさせない堂々とした指揮ぶりが印象に残っていて、演奏自体もなかなかの名演でした。

このCDの演奏はクライツベルクが音楽監督を務めるオランダ・フィルを指揮してのものです。やはりいいですね。堂々たる名演。第8シンフォニー第1楽章から弦、木管ともに音色の色合いの立ち具合がパリッとしていて、ハーモニーが実にみずみずしい。強奏時における若武者のような切れ味のアンサンブル・ドライブも素晴らしく、トッティの充実感も抜群、ことに(6:18)からの強奏展開の痛切感が非常にいい。

第2・第3楽章の味の濃い音楽の流れも見事なもので、ロマンティックな造形とリアルな響きが、絶妙に拮抗した音楽の表情が秀逸。オランダ・フィルの演奏水準も素晴らしく、各ソロのフレーズの切れ、音色のコク、ソノリティの質の高さ、いずれも上質で感服させられます。

終楽章もすこぶる充実的で、聴いていると、すみだトリフォニーでかつて聴いた時の感興が実感として蘇ってくるような気がします。SACDハイブリッド仕様ですが、実演のような臨場感のある音質ですね。

2曲の交響詩も名演。「野ばと」は(14:35)あたりの悲劇的色彩の強烈感に圧倒させられますし、「真昼の魔女」の方では(8:30)からのくだりの音響的緊張感が尋常でないです。

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