D.R.デイヴィス/リンツ・ブルックナー管によるフィリップ・グラスの交響曲第9番


フィリップ・グラス 交響曲第9番
 D.R.デイヴィス/リンツ・ブルックナー管弦楽団
 Orange Mountain 2011・2012年ライヴ OMM0081
OMM0081

デニス・ラッセル・デイヴィス指揮リンツ・ブルックナー管弦楽団の演奏によるフィリップ・グラスの交響曲第9番。米オレンジ・マウンテン・ミュージックの新譜。2011年12月および2012年1月オーストリア、リンツ・ブルックナーハウスでのライヴ録音。

フィリップ・グラスは一般的にはミニマル・ミュージックの大家として知られる作曲家だが、1993年から交響曲の作曲を続けており、2005年の時点で交響曲第8番までが作曲されていた。この交響曲第9番は今年の1月1日にオーストリアのリンツで世界初演されており、その時のライヴが本CDに収録されている。ただ、録音データを見ると「2011年12月30日および2012年1月1日」となっているので、おそらくリハーサル時に収録された録音も部分的に用いられているものと思われる。

本CDのライナーノートではグラス自身がインタヴューに答える形で、この交響曲第9番に関する作曲のコンセプトなどが開陳されている。作曲に際して特に意識した作品としては、マーラーの交響曲第9番が挙げられている。また9番めのシンフォニーという観点では当然ながらベートーヴェンを意識したとも述べている。

読んでいて特に印象深かった部分を以下に引用する。

When you start to write numbered symphonies you've got to be thinking of Beethoven, Brahms, Shostakovich, Prokofiev, Mahler, and Bruckner. Basically when you start putting numbers on symphonies you are inviting people to look at it as part of a lineage. If you didn't want to do that you wouldn't number them. Right? It's inescapable.

番号の付いた交響曲を書き始める以上、必然的にベートーヴェン、ブラームス、ショスタコーヴィチ、プロコフィエフ、マーラー、ブルックナーを意識しなければならない。そもそも交響曲に番号を置くという行為は、その作品をベートーヴェンから連なる交響曲の系譜の中に位置づけることを意味するのだ。もしそれが嫌なら、交響曲に番号など与えないことだ。そうだろう? その系譜からは誰も逃れられないのだから。

このあたりは単に交響曲というものに対するグラス自身の作曲のスタンスの表明というにとどまらず、作曲家としての自作に対する強固な自負のようなものが透けて見えるように思う。

コメント

 

コメント

 
管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

Powered by FC2 Blog
Copyright © クラシックCD感想メモ All Rights Reserved.