新国立劇場・ドヴォルザーク「ルサルカ」(11/26)の感想


2011-11-26c

タイトルロールのルサルカはロシアのソプラノ歌手オルガ・グリャコヴァでしたが、この歌手は同じ劇場で6月に観た「蝶々夫人」でもタイトルロールを歌っていましたが、今回も概ね同じ印象で、安定した歌唱力、ボリュームの豊かな声量、艶のある美声、ここぞという時の切迫感に満ちた声の力と、すこぶる立派な歌唱でしたが、やはり「蝶々夫人」の時と同様、声が重い点は気になりました。もう少し透明感をもって聴かせるべきと思える場面もあったし、全体的にワーグナーばりの重厚な歌い回しが目立ち、何だかワーグナーのオペラみたいだなという印象も。ただ「ルサルカ」というオペラ作品自体ワーグナー的な性格が色濃いと言われており、その特性からすれば別に間違っていないのかも知れませんが、純粋にメルヘン・オペラとして観た場合そこそこ違和感の残る歌唱だったようにも思えます。他の歌手に関しては突出感はないものの適材適所で丁寧に役をこなしていたなという印象です。

演出ですが、ノルウェー国立オペラ劇場のプロダクションのレンタル上演とのことで、向こうでは好評だったらしいですし、結局とらえ方は人それぞれということになろうかと思いますが、私自身の忌憚ない所感を言わせていただくなら、いくら理屈を並べても夢落ちは所詮夢落ちですし、悲劇的結末をむりくり「めでたしめでたし」のハッピーエンドに落とし込んでしまうのもどうなんだと思いますし、だいたい睡眠中に見た夢で人の精神が成長するなら世話はないですし、いずれにしてもあの落ちは興ざめだったというのが率直なところです。

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