「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD33の感想


ベルリオーズ:交響曲「イタリアのハロルド」
 (1953年11月28&29日, カーネギー・ホール)
ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」第2部
 (1947年2月17日, カーネギー・ホール)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
 カールトン・クーリー(Va)
88697916312

「ハロルド」だが、53年の録音にしては音質がパッとしない。音がモコモコして抜け切らない感じで、オフ気味のマイクゆえ迫力も伸び切らない。演奏自体は味の濃い好演なのだが、あるいは音質のせいかもしれないが、トスカニーニ/NBCの絶好調のレベルとはちょっと感じない。ロメジュリはノイズレベルが高めだが音自体の精彩はハロルドよりも上か。トスカニーニ流の格調高いカンタービレが味わえる。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD32の感想


レスピーギ:交響詩「ローマの松」
 (1953年3月17日, カーネギー・ホール)
レスピーギ:交響詩「ローマの噴水」
 (1951年12月17日, カーネギー・ホール)
レスピーギ:交響詩「ローマの祭り」
 (1949年12月12日, カーネギー・ホール)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
88697916312

トスカニーニ/NBCの代表的録音として知られるレスピーギのローマ三部作だが、音質的に3曲でムラがある。最初の「ローマの松」はボリュームレベルが高めで、迫力は十分なのだが、マイクが近接すぎるのか冒頭のあたりなど音がきつ過ぎてキンキンしているし、響きに潤いが足りず、そのあたり万全の録音状態では必ずしもないと感じる。「ローマの噴水」は3曲の中で最も音に潤いのある音質だが、この曲は印象主義的作風を織り交ぜているだけに、やはり録音年の古さはマイナス要因か。しかし、第3楽章の迫力は目覚ましい。そういう意味で、「ローマの祭り」が最も安心して聴ける。トスカニーニ/NBCの持ち味がストレートに発揮された名演。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD31の感想


R・シュトラウス:交響詩「ドン・ファン」
 (1951年1月10日, カーネギー・ホール)
R・シュトラウス:ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
 (1952年11月4日, カーネギー・ホール)
R・シュトラウス:楽劇「サロメ」より7枚のヴェールの踊り
 (1939年1月14日, Studio 8H)
ワーグナー:夜明けとジークフリートのラインへの旅
 (1941年3月17日&5月14日, カーネギー・ホール)
ワーグナー:ジークフリート牧歌
 (1946年3月11日, カーネギー・ホール)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
88697916312

ティル・オイレンシュピーゲルが圧巻。音質が抜群に良く、前巻収録の「死と変容」をも上回るほど。演奏も素晴らしく、トスカニーニ/NBC絶好調の痛快なアンサンブル展開に引き込まれてしまう。「ドン・ファン」も悪くないが、「死と変容」や「ティル」と比べると聴き劣りがする。「サロメ」は音質面が弱い。ワーグナーの2曲はそれぞれ年代相応の音質だが、アンサンブルの精彩は前記リヒャルトほどは振るっていない。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD30の感想


R・シュトラウス:交響詩「ドン・キホーテ」
 (1953年11月22日, カーネギー・ホール)
R・シュトラウス:交響詩「死と変容」
 (1952年3月10日, カーネギー・ホール)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
 フランク・ミラー(Vc)
88697916312

「死と変容」が圧巻で、アンサンブルの迫力、表出力がハンパでなく、オン型の鮮明な音質を追い風にベストフォームのトスカニーニ/NBCの凄味が炸裂する。これは同曲のベストワンを狙える録音と言っても過言でないだろう。これに比べてドン・キホーテは演奏・音質ともにひとまわり落ちる。オフ気味の音質のせいもあるのか、トスカニーニにしては淡々とした素気ない演奏に聴こえる。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD29の感想


ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
 (1953年12月6日, カーネギー・ホール)
モーツァルト:交響曲第40番
 (1950年3月12日, Studio 8H)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
88697916312

「英雄」はトスカニーニ/NBCがRCAに録音した3種類のひとつだが、39年録音(Disc23)は音質的に難が目立ち、49年録音(Disc1)は音質が少し粗いがアンサンブルの活力が目覚ましい。このCDの53年録音は、音質的には3種類の中のベストだが、オケの活力が49年録音のものと比べて大人しい印象を受ける。個人的には49年録音を3種類の中のベストとしたい。モーツァルトは39年の録音(Disc11)と比べると音質が大幅に良いが、トスカニーニらしいアンチ・ロマンな演奏なので評価も分かれるだろう。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD28の感想


プロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」
 (1951年10月15日, カーネギー・ホール)
ショスタコーヴィチ:交響曲第1番
 (1944年3月12日, Studio 8H)
グリンカ:幻想曲「カマリンスカヤ」
 (1940年12月21日, Studio 8H)
リャードフ:キキモラ
 (1952年7月29日, カーネギー・ホール)
ストラヴィンスキー:バレエ音楽「ペトルーシュカ」より
第1場「謝肉祭の市場」&第4場「謝肉祭の市場」夕方
 (1940年12月21日, Studio 8H)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
88697916312

最初のプロコフィエフは最も音質が良好。やや残響が多めだが、ぼやっとした感じよりも音のふくよかさを感じさせる。演奏の表出力としてもまずまずだが、やや穏健というか、この音質でトスカニーニ/NBCならば、もっと凄くてもいいような気も。次のショスタコーヴィチは音質は落ちるが、音の張り、強度感が目覚ましく、シビアな曲想にフィットしている。リャードフはプロコフィエフよりは音質が落ちるが、演奏はまずまずか。グリンカとストラヴィンスキーは40年の録音にしては随分と音がいい。いずれも好演。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD27の感想


ケルビーニ:交響曲ニ長調
 (1952年3月10日, カーネギー・ホール)
ケルビーニ:歌劇「アリ・ババ」序曲
 (1949年12月3日, Studio 8H)
ケルビーニ:歌劇「アナクレオン」序曲
 (1953年3月21日, カーネギー・ホール)
ケルビーニ:歌劇「メデア」序曲
 (1950年2月18日, Studio 8H)
チマローザ:歌劇「秘密の結婚」序曲
 (1943年11月14日, Studio 8H)
チマローザ:歌劇「計略結婚」序曲
 (1949年11月12日, Studio 8H)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
88697916312

トスカニーニの得意とするイタリアの作曲家の作品集だが、全体的に音質が冴えないせいか、いまひとつ精彩に欠ける。ケルビーニの交響曲とアナクレオン序曲はモヤッとした音質ゆえかパンチ力不足に聴こえるし、「アリ・ババ」「計略結婚」は音の彫りが浅く、「秘密の結婚」は鮮明度不足。この中でのベストは「メデア」。オンマイクの迫力ある響きが素晴らしい。

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