「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD5の感想

ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
 (1952年3月31日&4月1日, カーネギー・ホール)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
 アイリ-ン・ファーレル(Sp), ナン・メリマン(Ms),
 ジャン・ピアース(T), ノーマン・スコット(Bs),
 ロバート・ショウ合唱
88697916312

残念ながら音質が万全でなく、ややオフ気味のマイクによるボヤッとした音質に終始し、音の鮮明度や実在感に乏しく、トスカニーニ/NBCのベートーヴェンの醍醐味が相当に損なわれていると感じざるを得ない。同じ時期に録音のベートーヴェンでは7番と8番が素晴らしく、3番と2番も秀逸だが、1番、4番、5番、6番と9番に関してはかなり不満の残る音質状態であり、この9番も7番か8番レベルの音質だったらさぞかしと思ってしまう。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD4の感想


ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」
 (1952年3月22日, カーネギー・ホール)
ベートーヴェン:交響曲第8番
 (1952年11月10日, カーネギー・ホール)
ベートーヴェン:「レオノーレ」序曲第3番
 (1939年11月4日, Studio 8H)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
88697916312

交響曲第8番の演奏が出色。トスカニーニ最晩年の実に味の濃いベートーヴェンを、良好な音質で堪能できる。これに比べると5番はかなり聴き劣るのだが、おそらく音質的要因が大きいのだろう。8番の音質の方が明らかに音が立体的で実在感が強い。5番も同じ音質だったらさぞかし。レオノーレ3番は39年録音にしては音質が鮮明。演奏も秀逸。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD3の感想


ベートーヴェン:交響曲第6番「田園」
 (1952年1月14日, カーネギー・ホール)
ベートーヴェン:交響曲第4番
 (1951年2月3日, カーネギー・ホール)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
88697916312

「田園」、4番、ともにトスカニーニ晩年のベートーヴェン全集の中では、いまひとつ表出力が不足する。「田園」は第4楽章がさすがに凄いが、それ以外が振るわないのは、やはり音質がいまひとつのせいか。4番も全体的に音質がモヤッとしているのがマイナス。これがDisc2の交響曲第7番くらいに優れた音質で録られていたら、また一味も二味もちがっていたと思うのだが。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD2の感想


ベートーヴェン:交響曲第7番
 (1951年11月9&10日, カーネギー・ホール)
ベートーヴェン:交響曲第2番
 (1949年11月7&9日&1951年10月5日, カーネギー・ホール)
ベートーヴェン:エグモント序曲
 (1952年1月14日, カーネギー・ホール)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
88697916312

トスカニーニが晩年にカーネギー・ホールにおいて手兵NBC交響楽団を指揮して収録したベートーヴェンの交響曲全曲録音のなかでは、この交響曲第7番が間違いなくベスト演奏だろう。オンマイクの音質が実に良好であり、冒頭から弦のシビアな音響的表出力に凄味がみなぎる。これこそトスカニーニのベストクラスのベートーヴェンという感じがするし、以降も湧き立つようなアンサンブルの燃焼力に惚れぼれする。交響曲第2番とエグモント序曲は7番より少し音質が落ちる感じだが、ともにスタイル的にも内容的にも7番に準ずるレベルの演奏と感じる。

「トスカニーニ・コンプリートRCAコレクション」CD1の感想


ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」
 (1949年11月28日&12月5日, カーネギー・ホール)
ベートーヴェン:交響曲第1番
 (1951年12月21日, カーネギー・ホール)
 アルトゥーロ・トスカニーニ指揮NBC交響楽団
88697916312

「英雄」は冒頭の強和音の表出力から凄みがみなぎる。全編を通してのアンサンブルの強靭な構成力といい、フォルテッシモの燃焼力といい、いずれも並々ならない水準であり、本ボックスに収録されているトスカニーニ/NBCの3種類の「英雄」の中では、この49年録音が最もアンサンブルの活力が目覚ましい印象を受ける。しかし、こと音質に関しては万全とは言い難く、かなり不満が残る。もう少しオンマイクで鮮明に、たとえば、本ボックスDisc2収録の交響曲第7番くらいの水準で録られていれば、また格段に印象が変わっていただろう。交響曲第1番も「英雄」と同じスタイルだが、残念ながら音質レベルがワンランク落ちており、演奏の精彩も「英雄」と比べると、かなり落ちている印象が否めない。

「ロリン・マゼール ベルリン・フィルとの初期録音集」 CD8の感想


プロコフィエフ バレエ組曲「ロメオとジュリエット」より5曲
レスピーギ 交響詩「ローマの松」
ムソルグスキー 交響詩「禿山の一夜」
 ロリン・マゼール指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
ブリテン 青少年のための管弦楽入門
 ロリン・マゼール指揮フランス国立放送管弦楽団
 グラモフォン 1957~59年・1962年 4775254
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Disc6のベルリオーズとDisc7のチャイコフスキー、そして本ディスクのプロコフィエフと、1957年にマゼール/ベルリン・フィルは3曲の「ロメオとジュリエット」を録音しているが、このロメジュリ3曲のなかでは、このプロコフィエフが演奏としてはベストだろう。全体的にオケの鳴りが良好で訴求力を感じさせ、強奏時のパンチ力に惹きこまれる。レスピーギ「ローマの松」はプロコよりも音質がひとまわり良好で、オケの各パートをテキパキと捌いて明晰なバランスの煌びやかなアンサンブル展開を披露している。ムソルグスキー「禿山の一夜」も同様だが、これはアンサンブルの整理整頓が過ぎて凄味不足という印象も受ける。

「ロリン・マゼール ベルリン・フィルとの初期録音集」 CD7の感想


チャイコフスキー 交響曲第4番&幻想序曲「ロメオとジュリエット」
リムスキー=コルサコフ スペイン奇想曲
 ロリン・マゼール指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 グラモフォン 1957・58・60年 4775254
4775254.jpg

「ロメオとジュリエット」のみモノラル(マゼールのDGデビュー録音)。音質は良好だがフォルテッシモでデュナーミクにややリミットがかかるのが残念。演奏自体は3曲とも充実していて、かなりの聴きごたえがある。後年のマゼールのような変則的解釈ではなく、正攻法だが、響きのメリハリが異様に立っているし、チャイコフスキーにしてもカラヤンのように丸いフレージングで組み立てるのでなく、尖らせるところはきちんと尖らせ、多角的に音楽を組み立てていることが分かる。

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