ガードナー/BBC交響楽団によるシマノフスキのスターバト・マーテルの感想


シマノフスキ スターバト・マーテルほか
 ガードナー/BBC交響楽団
 シャンドス 2013年 CHSA5123
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エドワード・ガードナー指揮BBC交響楽団の演奏によるシマノフスキのスターバト・マーテルとバレエ音楽「ハルナシェ」。英シャンドス。2013年1月イギリス、クロイドンのフェアフィールド・ホールでのセッション録音。歌手はルーシー・クロウ(ソプラノ)、パメラ・ヘレン・スティーヴン(メゾ・ソプラノ)、ガボール・ブレッツ(バリトン)、ロバート・マレイ(テノール)。

このスターバト・マーテルは素晴らしい。この曲はゲルギエフ/ロンドン響の新譜との競合となったが、シマノフスキ特有の肌寒い音楽の感触はライヴよりもセッションの方が伝わりやすいこともあり、個人的にはガードナー/BBC響の方に軍配を挙げたい。「ハルナシェ」は狂騒感の高い作品だが、ガードナー/BBC響は洗練された解釈で音楽的に格調高く聴かせている。

ミンゲット・カルテットによるリームの弦楽四重奏曲第11番の感想


リーム 弦楽四重奏曲第11番ほか
 ミンゲット・カルテット、ベルハイム(pf)
 Wergo 2011・2012年 WER6756
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ミンゲット・カルテットの演奏によるリームの弦楽四重奏曲第11番。独Wergo。2011年ドイツ、ケルンでのセッション録音。

他にリームの「インタースクリプトゥム」(2000~2002年に作曲)と「グラーヴェ」(2005年に作曲)が併録されている。いずれも2012年の録音。「インタースクリプトゥム」は弦楽四重奏とピアノのための作品。ピアノ演奏はマルクス・ベルハイムが務めている。

3曲ともいかにもリームといった感じの難曲だが、全体的にミンゲット・カルテット各奏者のボウイングの切れ味が素晴らしい。とくに弦楽四重奏曲の第3楽章などは音楽の緊迫感が尋常でないし、インタースクリプトゥムでもピアノを含めた異様な音楽の白熱ぶりが強烈。グラーヴェはトーマス・カクシュカの哀悼曲として書かれた作品なのでレクイエムのような雰囲気だが、異様な特殊奏法が異彩を放つ。

マゼール/シュトゥットガルト放送響によるベートーヴェンの2番とバルトークのオケコンの感想


ベートーヴェン コリオラン序曲、交響曲第2番
&バルトーク 管弦楽のための協奏曲
 マゼール/シュトゥットガルト放送交響楽団
 Hanssler 1958年ライヴ 94224
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ロリン・マゼール指揮シュトゥットガルト放送交響楽団の演奏によるベートーヴェンのコリオラン序曲と交響曲第2番およびバルトークの管弦楽のための協奏曲。独ヘンスラー。1958年シュトゥットガルト、リーダーハレでのライヴ録音。

ベートーヴェンの2曲は正直あまり惹かれない。58年のライヴにしては完成度は高いが、全体に音が柔らかく、フォルテはものを言わず、迫力に欠け、聴いていて面白味が薄い。これがバルトークになると演奏に俄然精彩が増す。ベートーヴェンで徹底的に抑制した金管や打楽器も活発に鳴らしつつ、細部まで抜かりなく、この音楽独特の名状しがたい色彩を、この年代のライヴでここまで克明に描き出していることに感嘆の念を覚えるし、ここぞという時の迫力も抜群。このバルトークはマゼールの隠れた名演と言い得るものだろう。

カサドシュ&ミトロプーロス/ウィーン・フィルによるベートーヴェン「皇帝」の1957年ルツェルンライヴの感想



ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
&モーツァルト ピアノ協奏曲第20番
 カサドシュ(pf) ミトロプーロス/ウィーン・フィル
 ハスキル(pf) クレンペラー/フィルハーモニア管弦楽団
 Audite 1957年・59年ライヴ AU95623
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クララ・ハスキルのピアノ独奏とオットー・クレンペラー指揮フィルハーモニア管弦楽団の伴奏によるモーツァルトのピアノ協奏曲第20番、およびロベール・カサドシュのピアノ独奏とディミトリ・ミトロプーロス指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」。独Audite。1957年(ベートーヴェン)、1959年(モーツァルト)ルツェルン音楽祭でのライヴ録音。

双方ともモノラルだが音質は優秀、とくにモーツァルトの方は抜群に良く、オン気味の臨場感あふれる音がグッド。このモーツァルトはハスキルの凛としたピアニズムもいいが、クレンペラー/フィルハーモニアのオケの充実度がハンパでなく、すごい迫力である。ベートーヴェンの方は、ややオフ気味な感じで迫力自体は前記モーツァルトに一歩を譲るが、やはりカサドシュの高貴なピアニズムにはウィーン・フィルの響きがよくマッチする。

クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィルによるブルックナー交響曲第8番の感想


ブルックナー 交響曲第8番
 クナッパーツブッシュ/ウィーン・フィル 
 Altus 1961年ライヴ ALT225
ALT225

ハンス・クナッパーツブッシュ指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏によるブルックナー交響曲第8番。アルトゥス。1961年ウィーン・ムジークフェラインでのライヴ録音。

ORFのアーカイヴに保管されていた正規のマスターテープからの 復刻でありピッチの適正化を含む音質面の改善が図られているとのこと。第1楽章冒頭からクナッパーツブッシュ独特の骨太かつ無造作なフレージングで濃密なブルックナーが押し出されていく。終楽章の山場での大芝居的なテンポの動きなど、時代を感じさせる解釈だが、ウィーン・フィルの味の濃いアンサンブルとあいまって、すこぶるスケールの大きな演奏が展開されていく様には聴いていて惹きこまれる。音質はモノラルで少し彫りが浅いが、音自体は鮮明で抜けが良い。ただ、第3楽章で細かい音飛びが多く聴かれ、かなり耳ざわりなのが残念である。

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